表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自分探しの異世界冒険  作者: バーチ君
新たな大陸で自分発見の旅!
104/107

ダークエルフ族とリザードマン族

 そのころ、先にリフカ大陸に向かったセフィーロとハヤトとミアは念話で連絡を取り合いながら、別行動でアーロンを探すことにした。


 セフィーロは大陸をそのまま中央に向かって進み、ハヤトは海岸沿いを右に、ミアは左にとそれぞれ進んだ。


 ミアが海岸沿いを南下して飛んでいると大きな森に差し掛かった。すると、森の中から何本もの矢が飛んできた。ミアはその矢を避けながら、上空で停止して下を魔眼で確認した。すると、数名が森の中で確認できた。魔法で一気に殲滅することも可能だったが、姿を消して矢を放った者達の近くに転移した。



「ねぇ。急に姿が見えなくなったんだけど。」


「私も見失ったわ。」


「このままだと、魔王ナザル様に罰を受けるわ。どうしましょう。」


「一旦村に戻りましょうか?」



 ミアが姿を隠していることに誰も気づかない。彼女達はダークエルフだった。何よりも驚いたことに彼女達は“魔王ナザル”と言ったのだ。ミアはそのまま彼女達の後をついて聞くことにした。


 しばらく森の中を歩いていると、急に開けた場所に出た。恐らくダークエルフの村だろう。だが、不思議なことにその村には女と子どもと歳よりしかいない。ミアは全身に物理結界を張って、姿を現すことにした。



「ねぇ。ここがあなた達の村なの?」



 急に誰もいないはずの後ろから声をかけられたことに、女性達は驚くと同時にすぐに剣を構えた。



「お前どこから現れた?」


「ずっとあなた達の後ろにいたわよ。」


「お前は魔王ナザル様が言う通り、別の大陸から来た狂暴な魔族なのか?」


「失礼ね~! 私が狂暴ならあなた達はこうして生きていないわよ。」


「確かに。だが、我々の後をついて来て村ごと滅ぼすつもりなのだろう。」


「私はミア。堕天使族よ。堕天使族は嘘は言わないわ。私はあなた方の敵じゃないわ。剣を下ろして。」



 遠くの木の上からミアに向かって矢が飛んできた。ミアがその方向を一睨みすると矢は砕け散った。



「待て! みんな! 攻撃するな! この者と話をしたい。」


「ダークネス様。よろしいのですか?」


「私達が全力でかかっても、彼女には勝てませんよ。彼女がその気になれば、この村ごと滅ぼせるでしょうに、彼女はそれをしないわ。何故かしら? 彼女は敵じゃないかもしれないでしょ。」


「わかりました。」


「ダークネスとか言ったな。話の分かるのがいてよかったよ。」


「ミアさん。ここではなんですから。我が屋敷にお越しください。」



 ミアはダークネスに連れられて、ダークネスの屋敷に向かった。



「我が同胞達が大変失礼をしました。」


「別にいいよ。それより、“魔王ナザル”とか耳にしたけど。」


「はい。このリフカ大陸は魔族が住む大陸です。この大陸では、自分こそ最強だと言って常に戦いが起きていました。特に各種族で最強のものは、自分こそ魔王だと勝手に魔王を名乗ったりしていたのです。そこに、ナザル様が現れて、力自慢のもの達を次々と打ち負かして、絶対的な強者として魔王となったのです。」

 

「ナザルはあなた達が言う別大陸の魔族の中で、学者だった男だよ。そんな奴が強いはずが無いよ。」


「嘘ではありません。彼の強さは尋常ではありませんでした。そして、彼は別大陸から狂暴な魔族が襲ってきて、この大陸の魔族達を皆殺しにするから、見つけ次第殺すようにと指示が出たのです。」


「なるほどね。ダークネスさん達はそれを信じたんだね。」


「はい。それに、逆らえばこの村ごと滅ぼされてしまいますから。」


「でも、男達はどうしたの?」


「男達はみんな、ナザル様の命令で魔王城に行っています。」


「ダークネスさん。正直に話してくれてありがとうね。」


「私も正直に言うわね。驚かないで聞いてね。実は、私は別大陸の魔族四天王の一人なのよ。他の四天王達と魔王様とナザルの討伐に来たのよ。ナザルは邪神の手下なの。この世界を滅ぼそうとしているのよ。」


「えっ―――――! まさか?! そんな!!!」


「本当よ。魔王シン様は精霊王であり、エリーヌ様の使徒なのよ。」


 

 その場にいたもの達の驚きは半端ない。



「ならば。我が主人達はエリーヌ様に敵対しようとしているのですか?」


「そうなるよね。でも、大丈夫。魔王ちゃんは優しいからね。きっと、助けてくれるよ。」


「”魔王ちゃん“?」


「見ればわかるわよ。でも、惚れたらだめだからね。近くに怖いナツ姉様がいるからね。」


「ナツ姉様ですか?」


「私と同じ堕天使族なんだけど、四天王の筆頭よ。それに魔王様と同じでエリーヌ様の使徒よ。」


「そんな方までいらっしゃるんですね。」


「ほかにバンパイア族の始祖のセフィーロと竜人族の始祖のハヤトも来てるよ。」


「ミアさんの話を聞いて、希望が湧いてきました。」





 その頃、海岸沿いを北上したハヤトはリザードマンの集落にいた。丁度、男のリザードマン達が魔王城に向かおうと準備を整えていた時だった。



「皆の者! 何をしている! 早くこの者を打ち取れ~!」


「ティラ様。こいつ半端ない強さです。」


「お前らごとき、束になって掛かって来てもわしには勝てんぞ! 降伏するがよい!」


「ティラ様どうしましょう? このままでは村は・・・・・・」


「そなたも気づいたか?」


「はい。誰も死んでいません。」


「そうなんじゃ。あやつ、我らを殺す気はないようじゃな。」



 ハヤトが本来の姿に戻った。それは、真っ白な古代竜の姿だった。



「我が子孫達よ! そなたらは精進が足りんようだ。もっと本気でかかってこい!」



 ハヤトがみんなに呼びかけるが、ティラを始めとして全員がハヤトに平伏している。



「申し訳ございません。古代竜様。ご無礼の数々、どうかお許しください。」



 ハヤトは元の竜人の姿に戻った。



「よいよい。だが、お前達、我が子孫として少し情けないぞ! もっと修行に励め!」



 その後、村長ティアの屋敷に招かれ、魔王ナザルのこと、邪神のことなどを説明した。



「では、魔王ナザルはハヤト様達の大陸の魔族で、邪神の手下ということですな。」


「まっ、そういうことになるな。」


「なるほど納得しました。あれほどの強さ、邪神の加護を受けているとなれば理解できます。」


「我が魔王様は最高神エリーヌ様の使徒だ。ナザルや邪神などに負けはせぬ。」


「我々もハヤト様に加勢しますぞ!」


「ありがたい。魔王様に伝えよう。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ