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一話

「あと、やってない準備ある?」

明るい声で真琴は婚約者の雄一に話しかけた。

「とりあえずは、もうないかな、あとは元気な状態で式に出るだけかな?」

2人はどこにでもいる幸せそうな結婚間近の仲睦まじい普通のカップルである強いて言えば普通でないのは真琴の父であろう。真琴の父親は国を影から支えてきた忍びの一族の一員なのだ。


真琴の父は家で懐かしい目で真琴が幼い時にとった真琴と母親の写真を見ていた。実は真琴の父である 理人は真琴の本当の血の繋がった父親ではない 真琴が12の時に真琴を引き取って今まで育てて来たのだ 真琴は12の時に家族を大規模テロ事件によって失なっているのだ。その後 孤児の施設に入れられ 遠縁の理人によって引き取られたのだ いや、遠縁というのは嘘だ 理人に親戚は1人もいない 幼い頃 理人は孤児院の前に理人と名前だけ書き残し置き去りにされていた 理人はそこで真琴の母親である 夏帆に出会った 夏帆は優しく強気という性格ではないが芯がしっかり通っている性格をしており幼い頃 ひっこみがちだった理人や他の子達にも平等に優しく接してまさに聖母のような存在だった 理人と夏帆は12の時に引き取り手が見つかり施設をでることになった その時 理人は忍びの一族である 霧隠一派に引き取られることになった 忍びと言ってもこの時代 手裏剣を投げたり 派手に刀を振り回したりするということはせずに戦国の時代の忍び達の生き残りが形を変え政治家の手先となったり警察では踏み込みにくいテロ事件などに対応するための組織らしい それを聞いた理人が一言目にはなったのは「夏帆は普通の家に引き取られたのですか?」だった 理人もまた優しい人間だった。それから理人はこの国には常にたくさんの海外からのギャングやテロリスト達の脅威にさらされてることをしり夏帆のような優しい人々を守ろうと決意した。それから理人は忍びという暗い道を歩くために血反吐を吐くような訓練を積み重た。そこで霧隠一派の当主の孫である龍盛と出会った。龍盛は生まれた時から忍びの技を仕込まれていて一族の中でも天才と言われていた、年が同じということもありすぐに打ち解けた2人は共に高め合い忍びになった。理人は施設などから拾われた子達は普通 一族の中枢を担う隠密特殊第一課という部署に入ることはできないのだがその腕前を見込まれ22の時に龍盛と共に配属されることになった。再び理人が夏帆に出会うことになったのもちょうどその頃であった。2人が出会ったのは偶然のことであった。話を聞くと引き取られた家の両親は離婚し母親に引き取られたが18で就職してからは疎遠になったらしい。しかし、そんな夏帆にも春が訪れたらしい 会社に大学を出ていてエリートコースに乗っている 出世頭と付き合い出したらしい 理人はとても複雑な気持ちになったが幼い頃からの憧れであった夏帆が幸せな道を歩けていると聞いて安心した。しかし、その1年後 施設での夏帆との結婚を相手側の両親が猛反対し2人でかけおちをしたと風の噂で聞いた。理人は心配になり遠くから様子は見に行くとそこには幸せそうに歩く2人がいた。理人はもう何も心配することがないと一層任務に励んで行った。しかし、それから12年が経ちある事件が起きた。夏帆達が住んでいる近くの大型ショッピングモールで海外のテロリストが引き起こした。大規模テロ事件が起きたのだ。この事件は表の世界でも裏の世界でも一大事件となった。理人はその事件の後始末を任された。被害者の一覧を見て膝から崩れ落ちた。被害者の一覧に夏帆とその旦那の名前があったのだ 理人は全てを失った喪失感にみまわれた。さらにその事件を調べて行くと海外のテロリストだけではなく日本の政治家が関わりさらには忍びの一族達の中枢を担う伊賀の一族の影がちらついているということがわかった。元々、忍びの一族の組織図というのは伊賀の一族というのが一番上に立ちさらにその下に霧隠 戸隠 風魔という一族達が同じくらいの力関係で並んでいる。理人はそのことを上に報告する前に霧隠の上層部から捜査を打ち切るようにと圧力をかけられた。理人はとてつもない喪失感に襲われた 今まで自分が全てを捨てて歩いてきた暗い道はなんだったのか、忍びというものは夏帆のような人たちを守るために存在しているのではないのか、喪失感が止まらなくなり龍盛に事情を話 せめて事件の真相だけでも教えてくれないかと相談した。忍びというのは本来 肉親であっても任務や捜査内容を話すのはご法度だがこの時ばかりは理人から相当の覚悟を感じて理人はこの事件はある政治家が海外と講和条約を結ぶ代わりに海外のギャングが日本で活動しやすいように日本の邪魔なヤクザ組織を排除するために過激派テロに見せかけてショッピングモールに来ていたヤクザ組織の上層部を見せしめにするための計画が始まりであり、さらにそのヤクザ組織を完璧に潰すために伊賀の忍びを政治家が利用したということを聞いた。理人は伊賀 テロリスト ギャング 政治家を皆殺しにしてやろうという復讐心にみまわれた。そのことを察した龍盛は霧隠の一族は政治家達を優先して平和に過ごす人々を事件に巻き込むやり方に不信感をもち伊賀の一族から忍びの政権を奪う計画があるということ話した。さらにその計画は100年以上栄えた伊賀の一族を倒すというのはやはり難しく20年後をめどに進めているということを伝えた。これは霧隠の上層部だけが知り得る一大計画だ。それを伝えても理人の目を見ると今にも復讐に走りそうな危うさを感じた龍盛は今を生きる希望を与えるため夏帆に娘がいて家を飛び出たことにより旦那が絶縁されていてもちろん夏帆には肉親がいないため孤児院に入っていることを伝えた。理人の目に少しだけ希望が宿ったのを確認して龍盛は安心した。

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