運が悪かった男最大の不運にあう
よろしくお願いします。
その日は珍しく定時で会社から帰れた。
はっきり言ってブラック企業だ。
サビ残、パワハラ、セクハラなんて当たり前。
定時にタイムカードを押して0時まで仕事、仕事にしくじると人格攻撃ひどい時は家族まで悪口を言われる、お尻を触られるのは当たり前で反抗しないでいると手をスカートにまで入れてくる始末、身体目当ての飲みの誘いも多い。
それを注意できない自分も情けない。
何度も会社を辞めようとしたし紹介された所に転職しようとしたが潰れたり不祥事でそれどころでなくなったり、運に見放されていると言っていい。
通勤時、車に撥ねられる、休日に外出しても車に撥ねられる。看板が空から降ってくる。
いつのまにか休日も家から出なくしなくなった。
今は通販があるから買い物困らない。
さすがに食材は買いに行くが。
もちろんスーパーでも何か棚の上から落ちてきたり触ってもいないのにそんなんばっかりだ。
そんな会社から本物の定時退社だ。
ウキウキである。
帰り道は同じく定時の部下の宇田冴子とちょうどタイミングがあったので一緒に帰ることになった。
宇田さんは要領良いし仕事もできるし出世するなあと周りの評判だ。
要領悪い私からすると羨ましい限りだ。
お互い会社の愚痴を言ってかなり話しが弾んですぐ駅だ。
その時ダンプカーがこっちに向かってきた。
歩道を乗り上げてきた。
咄嗟に宇田さんを突き飛ばした。
ダンプカーは私に向かって突っ込んできた。
これは死んだな、と確信した。
あたりが眩しい。
そして意識が遠のいた。
部屋にいる。
どこまでも地平線が続いている部屋だ。
そこに大理石で出来たテーブルがあって豪華なフカフカのソファに美女が座っていた。
「そこの椅子に座ってちょうだい」
丸イスに座った。
差がありすぎなんじゃないですか?
「まず言っておくけど私は神様のようなものね」
「ようなもの、ですか…」
「そこはスルーして。そこでですね。丸井勇気さん、ダンプカーにはねられて死亡。享年38才。ずいぶん運の悪い人生おくってきたわね。
痴漢冤罪、バイトしてたスーパーで強盗にあう。
自転車は買ってからひと月以内に盗まれる。
細かいもの入れたら数えきれないわね」
「本当に酷い人生でした」
「それを踏まえて今度は違う世界に転生させるわね」
「申し訳ないけど転生って何ですか?」
「しょうがないわね」
基本的なことから教えてもらった。
異世界に行くことは納得した。
美女の神様はピヴォ様というらしい。
「かわいそうだから私の加護あげるわ。それに運の神マニスの加護も言ってあげてもらうわ。生まれ変わるのも良い家柄にしてあげる。それとスキルポイント1000最初から持った状態にしてあげる」
「本当にありがとうございます。これで幸せな人生を送れそうです。転生する覚悟も出来ました」
「幸せな人生を祈ってるわ」
こうして私は転生した。
転生ものは初めて書くので拙いですがよろしくお願いします。