八章 [何処のギャルゲーだよ]
「おい、嘘だろ。もう夜が明けちゃったじゃねぇか!………って言っても、一時間も経ってない様な気が」
「どうやら時間の流れが一定では無い様です。まぁ、パラレルワールドですから」
いやそれでどう納得しろと。
そうこうしているうちに、既に太陽は俺達の斜め上付近まで上がってきている。
その時だった。
「オウオウ!!人の目の前で盛ってんじゃネエヨ!!」
柄の悪そうな、いや、めちゃくちゃ悪い感じの人が出てきた。
学ランにボンタンを着こんで、更には今時有り得ない様な………
リーゼントだった。
「オイ、何処のガッコだ?………良いオンナ連れ回しやがって。邪魔ナンだよ!!」
なんなんだこのじゃんがりあんコントは。
それより俺が気になるのはリーゼントだ、中に何が入ってるんだ?
「無視してんじゃネエヨ!!ガン付けやがってェ!!自殺志願者かテメェ!!」
あれ、ご立腹?
ちょっとまって。俺は戦力外なんだが………って、目に前に拳が振りかぶる。
「は、はぁ!?何で俺が殴られなきゃいけないんだよ!!」
「それは貴方があのりーちゃんを起こらせたからに決まってるじゃないですか?」
りーちゃんて何だよ!!リーゼントだからなのか!?安直過ぎだろ。
ケタケタ笑う連花をよそに、俺は拳を受け止め、奥に付きだし相手を転ばせる。
「て、テメェ………!!」
「無益な争いはよそう。争いは何も生まない」
「言葉が被ってンダヨ!!ちゃんとしろやオラァ!!」
あれ、今正論言われた?俺間違えてる?
再び起き上がり殴りかかってくるりーちゃんの拳を翻し、ただ、押した。
押しただけ。
りーちゃんはバランスを崩し、土埃を上げて地面に突っ込んだ、しかも動かない。
………………。
……………………………?
いやいやおかしいでしょ!?何で押しただけで気絶するんだよ!?
待て!!待てってば!!死ぬなぁぁああああ!!!
「あーあ、やっちゃいましたね。白夜君、どうするんですか?」
「知らねぇよ!?ただ向こう側が殴りかかってきて押しただけだし!!つか何で気絶するの!?」
完璧に白目向いてるよ。歯も折れちゃってるし………。
どうしよう。
「あ、恐らくこれが原因でしょうかね?」
と、連花はりーちゃんの頭付近をまさぐり、[それ]を俺に向かって掲げる、その招待は………。
「コカ・●ーラじゃねぇか!!!」
コ●・コーラとは、昭和から平成にかけて発売されていた炭酸飲料水の事だ。
まさか●カ・コーラがこいつのリーゼントだったなんて。
「あ、しかも飲みかけですね。恐らく冷やすためにリーゼントに入れてたんじゃ無いですか?」
「リーゼントに冷却機能はねぇよ。しかも今時希有なコカ・コー●の瓶だし」
それにしてもどうするか。気絶したままこんなド田舎の道端に居ればまず死ぬ。
だと言っても、こんなパチモンヤンキーを連れて歩くのも気が引ける、さぁてどうするか。
「…………それにしても、どうしてりーちゃんが?まだ人が居たんですかね?」
それもそうだ。何でりーちゃんだけ此処に居るんだ。
もしかして、元居た世界から飛んできたって事は無いか?本当になんでリーゼントがひょっこり立ってたんだ?
「その可能性も考えられますし、もしくはまだこの世界に誰か居るか、っていう事も考えられます、が」
「が?」
「それより喉が乾きました。このコーラ飲んじゃって良いですかね……?」
「いやいや怒られるだろ。つかさっきの間接キスやらのデレカシー何処行った!!」
「いやぁ、なんか貴方の飲みかけは飲んだら死にそうですし、まだりーちゃんのを飲んだ方が良いと思いまして」
「まさかの俺超危険人物!?」
はい、ちょらーっす、音韻です。八話になりました。新キャラ、りーちゃんです。可愛いでしょ。てなわけで、これからはこのりーちゃんと一緒に行動して行きます。という事で、また次回。