七章 [完全変装(リペイント)]
夜の空気が見に染みる。パラレルワールドって言っても、季節的な感じは夏に近い。
そうして暑い。田舎ならではのカラッとした暑い熱風が俺達の体をそよがせる。
「なぁ、こんなことしても何が起きるって言うんだ」
「まぁそうですね、というか、何で私達こんな事をしてたんでしょう………」
「はぁ………。全く。仕方ねぇ、集落になってるみたいだし、散策でもしようぜ」
連花は不安そうな顔を上げる。だが、見つめてきた為、俺は気まずくなって目を反らした。
これが正しい選択なのか。
きっと合っている事を願いたい。
「本当に一人も居やしねぇ。どうなってるんだ、本当にパラレルワールドって奴なのか?」
「だから、本当です。過疎化が進行したって昨日まで暮らしていたみたいな集落の人達が一瞬にして消えることも無いでしょう」
まぁ、実際のところはそうだろう。本当に謎だ。
俺達は集落の川沿いにある道路を歩いている。舗装されてるとは言え、石が転がっていたり、かなり不安定だ。
すると、微かに見える人工的な光とおぼしき明かりが見える。
「なぁ、あれって光ってないか?」
俺がその光る[物]に指を指してそう言った。
「えぇ、あれは………?」
俺達はその光の正体を知るために、その根源へと向かって足を急いだ。
*
「自動販売機………?ですよね、これは」
連花がそう言う。
自動販売機?なんだそれは。俺達の世界で言うクレイリモーターみたいな物か?
クレイリモーターとは、この世界での通用金銭の類いで買える飲料水提供場所の事だ。
「まぁ、システム的にはあながち間違って無いでしょう。ですが、私達はこの時代置ける金銭は持ち合わせていないですねぇ」
「ったく、無駄足だったみたいな」
俺がイラついて何の罪もない自動販売機の横っ腹を蹴りあげた。
《ドガッシャーン………ゴトッ》
ゴトッ?
「あ、白夜君が蹴ったお陰でジュースが出てきましたよ?というか、何で此処だけ電気が来てるんでしょう?」
「何処のミ●カさんだよっ!!!………それもそうだな、ここだけ電気が来てるってのもおかしいよな」
俺が気になり、自動販売機の裏を見る。だが、そこにはコードとおぼしき物は無く、下にもそんな物は無かった。
もしかして、コードレス自動販売機………?
「まぁ、その可能性は在りませんがね、この時代じゃ。それより喉が渇きました。ジュース飲んでも良いですか?」
実のところ俺も喉が渇いていた。だが、やはりレディーファーストって物か?
「んじゃ、とっとと飲んでくれ。そのあと俺も飲む」
「………へ?」
「は?」
何でこいつの応答が疑問系なんだ。別に構う事はないだろ。
…………もしかして、間接キスを気にしてるのか?
「もしかして、間接キスが嫌なのか?」
「死ね!!」
「ぶべらっ」
なんか顔面殴られたぁ!!
い、意味がわかんねぇ!!何で殴られなきゃいけねぇんだ!?
「おい!!殴る事は無いだろ………!!!」
「そもそも!貴方がそんなデレカシーの無い人間だとは思いませんでした!いきなりそんな事言っちゃ駄目でしょ!?」
「知らねぇよ!当たり前の事を言っただけだろうが!そこに何処がデレカシーに当たるんだよ!!」
「女の子が「間接キス………駄目か?」何て言われたら勘違いしちゃいますでしょ!?」
あ……………。そういう事?
「………はっ!!何ですかその目はっ!!今気付いた様な顔が更に駄目なんです!!」
「駄目なら俺が飲むぞ?」
「っ!!…………分かりました。飲みます。ですが、それで変な勘違いしないで下さいよ!!」
「へいへい、喉が渇いてるんだ。さっさとしろよ」
そう言って、連花は透明なスポーツドリンクを飲み干す。余程喉が渇いていたのか、ゴクゴクと飲み干す。
…………って、あれ?中身が…………
「はい、どうぞ!」
満面の笑みで渡してくるペットボトルは、明らかに手で持っても軽い。
いや、中身が後一口………、いや、最早無いと言っても過言ではない。
………………。
「おい!!流石に飲み過ぎだろ!!最早数摘位しか残ってねぇよ!?これでどう飲めと!?」
「唾でも飲んでたらどうです!?」
「てめぇなぁ!?」
日が登るまで、後二時間。
はい、書きました第七章。音韻です。すいません、後書き詐欺ですね。今回はラブラブ回となってしまいました。まぁ、次回にこうごきたいですね。はい、ごきたい。いや、うごきたい。