青年の悪夢
畜生道「うん、やはり君はこちら側の方がしっくりくるね」
暗闇の中、畜生道は殻漣の前を歩きながら言う
殻漣「それは皮肉か?」
殻漣は不服そうな声を出す
畜生道「とんでもない、褒め言葉だよ」
すると目の前に至ってシンプルな白い扉が現れる
畜生道「さて、皆待っているよ、お先にどうぞ」
畜生道を扉を開けると手を扉の中に向け、入室を促す
扉の中には大きな机が見え、大勢の話し声が聞こえるが机以外は見えない
殻漣は意を決して入室する
声が止む
部屋には10人ほどの人らしき者が座っていた
畜生道「ん〜、皆、集まっている様だねぇ」
後から入った畜生道が満足そうな顔で辺りを見回す
殻漣「初めまして、殻漣と言います」
殻漣の声に数人が『よろしく』と返す
畜生道「まぁ、皆個性的なだけだから心配しないでいいよ」
畜生道はヘラヘラと笑いながら殻漣を机の真ん中の椅子に座らせる
殻漣「ここにいるのって皆さん六道の人なんですか?」
畜生道「まさか〜、ここにいるのは地獄道さんの使いの人達だよ〜」
??「その通り、ここには通常私とその使いの者しか入れんよ」
隣に座る人物が話す
この大勢の中で一人だけ黒い着物姿の頑固ジジィの様な風貌の男が話しかける
地獄道「ワシは地獄道、此度は君を殺した者を裁く為にここにいる」
殻漣はその言葉に首を傾げる
自分を殺したのは今後ろに立っている畜生道の部下だ、同じ六道の部下を裁いて争いになったりしないのだろうか?
畜生道「いいかい、ここは地獄道さんの法廷だ、君は正直に応えるんだよ」
畜生道は依然としてヘラヘラしながら話す
地獄道「では、被害者も入廷した為、加害者の入廷を許可する」
その時、空気が張り詰める
全員が部屋の中央に視線を送る
先程までヘラヘラしていた畜生道も真剣な顔になる
地獄道が懐から出した槌を叩くと部屋の中央に『牛骨』が現れる
地獄道「これから、牛骨改め罪人 『クライズ』貴様を裁く」
その時、牛骨の被っている牛の頭骨が落ちる
クライズ「俺は・・・・一体・・・」
中からは黒髪の青年が現れた