リバーシブルアルバイト
ここは何処だろう?
確か俺は死んだ筈
・・・・・
もう、いいや
俺をこんなになるまで追い込んだあの世界が悪いんだ
『・・・・・・』
誰かいるのか?
一体・・・・
『気分は優れないようだねぇ?』
この声は・・・
殻漣「あんた、畜生道って言ったか?」
殻漣は目を閉じた状態で言う
畜生道「おや?覚えててくれたんだね、光栄だよ」
畜生道は耳にまとわりつく様な声で応える
畜生道「それにしても、君も災難だね、人生はうまく行かず、死んじゃったもんね〜」
殻漣「・・・最悪な人生だよ全く」
殻漣は苦い気持ちを口から零す
畜生道「じゃあさ、君の人生を最悪に落とし入れた人達の人生を台無しにしてあげようよ」
殻漣「俺が?彼らを?」
畜生道「そう、その代わり君は死ねずにこちらの世界にとどまり続ける」
殻漣「・・・どうせ次の人生もろくでもないものなんだろう、いいよ」
畜生道「じゃあ決まり」
パチン‼︎
畜生道が指を鳴らす音と共に殻漣の目は開き、無意識に立ち上がる
畜生道「真っ当な職なんて諦めなよ」
畜生道は目の前でクスクスと笑う
畜生道「裏返しのアルバイト」
殻漣「まともじゃない職業か・・・」
殻漣は意識が朦朧としながらも服を脱ぐ
全て脱ぎ終えると体に生暖かい何かがまとわりつく
それは下着となり服となり靴となり
赤いマントとなる
畜生道「ん〜、なかなか」
畜生道はうっとりとした目つきでこちらを見る
畜生道「リバーシブルアルバイトへようこそ」