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リバーシブルアルバイト  作者: 如月 上下
2/6

即採用リアルオフ



AM7:00


殻漣(カラサザ)はカッターシャツにジーパンと言うスタイルで求人広告を貼ってあった書店の前にいた



殻漣「やっぱり寒い・・・」


電話を掛けるとあっさりと採用され

明日の朝7時に書店前に来て欲しいと言われて来たが、どういう訳か誰も来ない・・・・


殻漣「時間は・・・間違ってないよなぁ」


となると向こうの手違いか何かなのだろうか


殻漣「からかわれたって事はないよなぁ?」


一人でそんな事をぼやいていると


??「からかえるようなやわな仕事じゃねぇよ」


背後から突然声をかけられた


殻漣「っ⁉︎」


驚いて振り返ると、そこには昨日家へ走り帰る時に見かけたスーツ姿の男がいた


髪は適当に切っており、サングラスをかけている


スーツの男「あぁ、身なりを見る限りやる気はあるようだな、来い」


そう言うとスーツの男は書店横の路地へと歩いて行く


殻漣「あ、あの・・・」



いきなりの事で頭がついていかない殻漣



スーツの男「あ、すまん、俺の名前は時落(ジラク) 経時(キョウジ)だ、お前の直属の上司に当たる、よろしくな」



時落と言う男はそう言うと殻漣に手差し出す



殻漣「え、あっ、僕は今日からこちらで働かせて頂く殻漣(カラサザ) (サトル)と言います‼︎よろしくお願いします。」



そう言うと殻漣は手を握り返す



時落「聡か、良い名前だ・・・お互い頑張ろう」


その時、聡の目の前が歪む


視界が暗くなっていく


頭がぼーっとしてくる



再び意識が戻る時には


殻漣「・・・・暑い」


まるで夏のような青空

入道雲

咲き誇る花々

蝉の鳴き声


しかし、何かがおかしい


殻漣「人が、いない?」


その通りだった


周りを見渡すとコンビニや駅などはあるのに肝心の人がいない


蝉の鳴き声だけが響いているだけだった


時落「さて、仕事の内容は社長から聞いてくれ、俺は少し用事に出かける」



そこの建物に入ってくれと言われる

そこは、テナントビルだった


時落「このテナントビルの3階がウチの事務所だ、社長ともう一人うるさいのがいると思うが・・・まぁ、気にしないでくれ」



そう言うと時落はタバコを吸いながら駅の方へと消えていってしまった。



殻漣「・・・・行くしかないよなぁ」


ただでさえ色んな事が起こり過ぎて頭が回らないんだ、考えても仕方がない



三階の扉には事務所とだけ書いてあった



コンコン


『入っていいぞ』


ノックをすると野太い声が中から聞こえる


殻漣「失礼します、本日からこちらで働かせて頂く殻漣 聡と申します‼︎よろしくお願いします。」


すると奥の社長イスがくるりと回り、こちらを向く


スキンヘッドにフレームレスメガネ、作業着を来ており、社長と言うより工場長の様な男が座っていた


社長「私が社長の津辺(ツベ) 玄次郎(ゲンジロウ)だ、ようこそアンデッドエンター事業へ」



殻漣は頭が痛くなった

まさかこんな変な会社に来てしまうとは



そう思っていたら先程から視界の端で蠢く書類の山が崩れる


女の子「あぁー‼︎‼︎もう‼︎なんで事務所なのに事務員が私だけなんですか⁉︎おかしくないですか⁉︎」



殻漣と同い年か年下の少女は津辺に詰め寄る



津辺「まぁまぁ瀬芹(せぜり)ちゃん、まずは新人さんに挨拶だ」


津辺は詰め寄られてもなお冷静だ


瀬芹「え⁉︎新人さん⁉︎」


瀬芹はこちらを見ると目を丸くする


するとゆっくりと津辺に振り向き


瀬芹「待って下さい‼︎若い男性じゃないですか‼︎なんですか⁉︎もう私婚期到来ですか⁉︎」


津辺は流石に苦笑いで流していた


津辺「まぁ、とりあえず、仕事の内容を説明するから一度出ようか」



津辺はそう言うと、ヘルメットを二つ取ると一つを被り、もう一つを殻漣に手渡す。



津辺「いいかい、この仕事に危険は付きものだ・・・時落君に会ったと思うけど彼はもう20年程のベテランでね」



津辺と階段を降りながら話を聞く


津辺「私も40年働いているが、そろそろ体が思うように動かなくてねぇ」



津辺と外に出ると、駅とは反対側の方向を歩き出す。



殻漣「あの、一体ここは・・・」


殻漣は思い切って質問する


津辺「おや?時落君は説明しなかったのかい?」


津辺は驚いた表情で殻漣を見る



殻漣「はい、事務所前までは一緒だったんですが、その後は・・・」



津辺「・・・・また緊急か・・・」



突然津辺はそんな事を言い出す



殻漣「え?」



津辺「いや?何も・・・」


一息置いて


津辺「もう察しはついていると思うが、ここは君が住んでいる世界と死者の世界の狭間の空間だよ」



津辺「主な仕事はたまに死者の世界から湧き出る異形の討伐と君が住んでいる世界から迷い込んでしまった人の救出だよ」



津辺はメガネを拭きながら淡々と語る



津辺「稀に手に負えないような死者の世界の怪物が来るけど、そう言う場合は時落くんや僕を読んでくれれば何とかするよ」




殻漣は少しフリーズしていた

死者の世界?

俺の世界?


怪物?



分からない・・・



津辺「まぁ、分からなそうな顔をしているから少し見ててご覧よ」



そう言うと、津辺は何処からか刀を取り出す。



津辺「さてと、仕事開始だよ‼︎」


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