ぶどう
私が『なろう』を覗くようになったのは、今年に入ってすぐのことだ。もともと、他サイトの携帯小説に夢中になっていて、そこで出会ったすばらしい小説を書く作者さんが、こちらで新作を発表しているからだった。
最初はまさか自分が書くなんて思いもしなかった。尊敬する作者さんの小説を更新を楽しみに読んでいるだけだった。ある日、ジャンルを見ていたら「詩」に目が留まった。詩ぐらいなら書けるかもと、浅はかな考えで適当に書いて早々と投稿してしまった。自慢出来ないが、というか恥ずかしいことだが、私はもう何年も本(書籍)を読んでいない。他の作者さんの作品をあとから読んでいるうちに、なんだか情けなくて笑ってしまった。自分の詩は拙すぎた。視野が狭い人間だなーということを思い知らされた気分だった。やはり文字を扱うということは、生半可な気持じゃだめだなーと考えさせられた。たくさんの書物を読んで知識を得て、勉強しなくてはいけないと思った。書きたい言葉が浮かんでも語彙が乏しいのでうまく伝えられないというは本当に悲しい。
そういいながらもまだ何ひとつ実行に移さないという怠け者だ。向上心や探究心は、はっきりいってないかもしれない。ただ趣味で、気ままに暇つぶしに楽しく書ければいいかなーという、どうしようもないやつだ。でもやはり、作家を目指して日々努力している作者さんと同じ土俵で書かせていただいているという現実を見つめると、申し訳なさと情けなさがこみ上げるので、書いていく限りは自分なりの視野を広げていきたいと思う。
小学生のとき国語の授業で詩を書くというのがあった。それが詩デビューだった気がする。私は「ぶどう」という詩を書いた。はっきり覚えていないが「ぶどうは小さなきらきらの玉のひとつひとつが協力してあつまって美しいひとつのかたまりになる」的なことを書いた。ぶどうからいろいろなことが頭に浮かんできて楽しくて仕方なかったのを覚えている。そしてしばらく詩を書き続けた。あのころの私はとてもさびしかったので詩の世界に没頭できたのかもしれない。あの頃の感性は今はなくなってしまった。