第三話 俺の敵は修羅神仏その他いろいろだという事を
俺の敵は修羅神仏その他いろいろだという事を
俺の目の前には無残に破壊された、否、破壊した岩石が転がっている。
「で? これで終わりか?」
俺はさっきもした問をもう一度する。
「ま、まだする気ですか!?」
と俺の目の前にいる少女は驚いきと呆れの入った叫びをあげる。
「ということはもうこれ以上に強い奴はお前には呼び出せないってことだな?」
まあ、わかりきっていたが。
「そそそそんなことありません! まだまだいますよ、ええ、いますとも!」
そう叫ぶが見るからに少女は全てを出し切ったと言わんばかりのオーラがにじみ出ている。
「そうかい、じゃあ出してもらおうかな、そのもっと強いやつってのをさ」
俺は意地悪をするかのように口元を歪ませ言った。
少女は体をギクリと震わし止まった。
「黙ってるてのは言葉や体の反応よりわかりやすい動作だよなぁ」
俺は空を見ながら人事のように言う。
少女は転がってる岩石にちょこんと座ると語り始めた。
「あなたほどの人間なら神様にも対抗できるかもしれませんね」
「何を言っているんだ? 俺はそのつもりでここにいるんだよ」
俺はさも当たり前のように言ってやった。
「それはそうとお前の名前なんだっけ?」
これまで俺は一度だけ名前を聞いた気がするがもう記憶にないので聞いてみた。
「私言いましたよね? ……まあ、いいです。アルガラス・ミランデです」
アル……なんだって?
「……ああ、アルフォンス・●ルリックか」
「違いますよ!? あなたは一体何を聞いていたんですか!?」
あれ? 違ったのか?
「ああ、間違えた間違えた、確か●Cミランだったな」
「それも違いますって!?」
また間違えたらしい。ええーっとなんだっけ?
「……ああ、ガラスか」
「もはや、人が関係しているものですらなくなってますよね!?」
「じゃあ、何なんだよ!」
「逆ギレですか!? アルガラス・ミランデですって」
クソ、長い名前は記憶に困るぜ。
「今度からアルミラって呼ぶわ」
うん、この方がしっくり来るな。
「覚えられないからって短くしないでください! とりあえず仮の名前として鏡野京子で覚えてください」
鏡野京子ねぇ。まあ、いいか。
「じゃあよろしくな、京子さんよ」
俺が右手を出すと京子は素直に握った。
「ええ、こちらこそお願いします」
よし、これで一応は成立ということだ。だがまだ問題が残っている。
「なあ、俺はこの戦いとやらをよく知らん、説明くらいはしてくれてもいいよな?」
すると京子はそうだったというような顔をすると真剣な顔になり話し始めた。
「そうでしたね。では、長くなりますが説明をさせてもらいます。まず、この戦いは神はもちろん英雄、精霊の他にいろいろな種族が一番を目指して戦う大会形式で行われています」
大会形式ねぇ。なんか面白くなってきたぜ。
「なあ、ほかにはどんなのがいるんだ?」
京子は少し考え込むとすぐに顔を上げ言った。
「魔法使い、勇者、魔界の者、ドラゴンそのほかにもここでは語り切れないほどいます」
ほう、それはそれは、退屈しなさそうだぜ、この戦いってのは。
「その中で、私たちは一番を狙わなければなりません」
「その意図は?」
「そ、それは……」
京子は黙りこくってしまう。
だが、半分諦めた顔をし言った。
「私には記憶が欠損しているんです」
記憶が欠損、つまり欠けているのか。でもなんでそれが一番になるのと重なるんだ?
「私の記憶はその種族の頂点が持っている可能性が高いんです。だから私たちは一番になる必要があるんです」
つまり、この戦いはこいつにとって記憶を取り戻すための戦いということか。
「そして? 俺は何をすればいい、どうやってその敵と戦えるんだ?」
「そうでした。そこの話もしなくてはいけませんね。この戦いはポイント形式で行われていて倒した敵の数でポイントが加算されていきそれで一番を決めるんです」
そうか、勝てばポイントが入って強さを証明するってことか。
「負けた場合は?」
「負けた場合はポイントが減りゼロになった時点で再起不能となります。ちなみに私たちの手持ちポイントは1ですので一回でも負ければそこで終わりですね。ああ、でも勝てばポイントが入りますので負けても大丈夫ですけど」
つまり、最初の一戦が大事ってことか。
「で? まだ答えは聞いてないぜ? 敵とはどう戦うんだ?」
「ですから、敵側もポイントが欲しいですから弱そうな、そう私たちみたいなものから狩って行こうと考えるわけです。つまり待っていれば勝手に敵の方からやってくるってことですね」
なんだ。待たなくちゃいけないのか。それはめんどくさそうだな。
「勝負ってのは全部殴り合いなのか?」
「ええ、基本的には、ただ武器を所有しなければいけないものもあります」
それはそれでいい。俺は修羅神仏と戦えればそれでいいんだ。
「これで説明は一通りはしましたがどうですか? 分かりましたか?」
「ああ、理解した。とりあえず勝てばいいってことだけな」
京子はガクッと肩を落としうなだれる。
「なんでそう、まあ、合ってはいるんですけど……」
京子はゆっくりと体を立たせると俺の方に歩み寄ってきた。
「なんだ?」
「いえ、人間はみんなこうも物分りが悪いのかと思いまして」
それは侵害だ。俺以上に物分りのいいやつはいないぞ?
「さて、早く来ないかなぁ、修羅神仏」
再び肩を落とす。
「この戦いは私の記憶が係った大切な戦いですよ!? そんなに簡単に見られては困ります!」
と大げさな動きをして言ってくる。
「俺はそんなのには興味はないぜ? それに俺は強い奴と戦えられればそれでいい」
すると京子は肩だけでは物足りなかったのか、今度は膝をついてあーっと声にならない声で叫んでいた。
「どうした?」
言うやいなや京子は頭を素早く上げ俺を睨みつけてくる。
「俺とやろうってのか? それなら相手になるぜ?」
俺が拳を握り冗談で戦闘態勢に入ると京子はこれはもうダメですねと言いながら立ち上がった。
「分かりました、ええ、分かりましたよ。あなたがどういう人間なのかどうかよくわかりましたよ。ですがあなたほどの強さを持った人間はいないのもまた確かです。ですからこれから、いえ、今日からはあなたを信じて私もこの戦いに挑みましょう!」
なんか自分に言い聞かせるように言っていたのは気のせいだろうか。まあ、いいか。
「で? いつ敵はくるんだ?」
「私、なんかこの先どうなるのかもう心配になってきましたよぉ」
上を見てなんか黄昏気味でいる京子はそう言った。
「それは侵害だなぁ、これでも俺は常識人だぜ?」
俺はこれでもかと言わんばかりに言ってやった。しかもドヤ顔付きだ。
「あなたはどうしてそんなに堂々としているんですか!? ていうか間違っていますよね!? あなたが常識人だったらみんな常識人ですよ!? 馬鹿ですか? 馬鹿なんですか!?」
俺は咄嗟に京子のこめかみをグリグリと押した。
「イタ、イタイタイタ! 何するんですかぁ!?」
とこめかみを抑えながら泣き目で言ってくる京子。
「なんか、むしゃくしゃしたからやったわ」
「どうしてですか!? ホントにあなたはバ――」
またも俺はむしゃくしゃしたのでこめかみを今度はさっきより強く押した。
「だーかーらー、痛いんですってば!」
「悪い悪い、ほら、こんなところにいても敵は攻めて来ないぜ? さっさと移動しようぜ」
俺は立ち上がり京子を待たずに歩き始めた。
「あ、待ってくださいよぉー」
と急いで立ち上がった京子は俺に向かって走ってきた。
「早く来ねぇかなぁ」
俺は半分神様に願うかのように空を見上げて言った。
「はー、だから、待っていれば来ますよ」
俺の隣を歩く京子は呆れ顔で言う。
それにしても早く来ねぇかなぁ。早く修羅神仏と戦ってみたいぜ。
「あー、待ちきれねぇ! 探しに行くぞ、京子!」
「待ってくださいってばー!」
待ってろよ、修羅神仏さんよ! 俺が今お前たちを倒しに行くぜ!
「なあ、京子、神様ならお前も強いんだろう?」
京子は声には出さなかったものの顔が引きつっていた。
「なんだ、弱いのか。まあ、勘だけどお前、さっきの術しかできないだろ」
またも京子は顔を引きつらす。
「あははは、やっぱりな」
俺はスピードを上げて京子の前まで走り振り返る。
「じゃあ、今日から俺たちは最強の人間と最弱の神様が手を組んだってことか」
「はい、そういうことに……って私は別に最弱じゃ――」
言いかけて京子は半ば諦めたように首を縦に振ったのだった。
こんにちは、こんばんわ、おはようございます。
皆様のおかげでお気に入りも順調に増え、私のやる気も増えてきている次第です。
さて、今回の話はどうでしたか?
私的にはなかなかだと思ってはいるのですがこの作品を見たあとに違う作品を見ますとなんだか私の作品って面白くない? って思うのですが……
まあ、そんなことは置いておきましょう。
では皆様、今日からも、これからもこの作品をよろしくお願いいたします
第四話でまたお会いしましょう。




