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第二十九話 俺は全てを壊すことを決意します

俺は全てを壊すことを決意します


俺が城の外に出ると外は雨が降っていた。

「雨……か」

それはそれに構わず叫んだ。

「よく聞け! ゼウス軍!! 後退しろ! あとは俺一人でする!!」

俺の声は戦場に響き渡る。

だが、誰一人振り返ることすらしない。そうか、そんなにみんな死にたいのか。

「退け! これが最後の忠告だ!! 退かないのならば全て俺が殺す!!」

そこでやっと振り向いた。

「お前は味方じゃないのか!」

俺は誰の味方もしねぇよ。昔は違ったらしいがな。

「これで全員か?」

実に百人程度しかいなかった。ほかはみんなやられたのか。

「お前らはこの城を守ってろ。まあ、誰も来ないとは思うがな」

俺は敵軍に向かって歩き出した。

「お、おい」

兵の声など聞きもせず俺は歩き出す。

敵軍がこちらに走ってきた。俺は立ち止まらず何もなかったかのように敵の横を通り過ぎる。

すると敵軍の頭だけが地面に落ちる。

「これで百人」

俺はそう呟き前へと進む。

俺の手に付いた血は雨によって流されていく。京子の血も敵の血も全てを流していく。

「な、なんだあいつは……」

敵軍の一人が言う。

「俺は人間だ。ほんの少しほかの奴らより強いだけのな」

そう言って男の頭を蹴りで刎ねる。

それを見た敵軍は全体で二、三歩後ずさる。

「どうした? 来いよ。お前らは逃げたって死ぬんだぜ?」

逃げたところでオーディンに殺される。俺はそういう意味をもって敵に伝えた。

俺の歩みは止まらず敵軍に近づいていく。

俺の攻撃範囲に入った敵から声も音もなく首を刎ねられていく。

「これで三千」

俺が戦場に出て早くも三千人を殺した。俺の服は赤く染まり全身、雨と血が混じった液体で濡れていた。

自分で自分を表すなら殺人鬼だ。

今はそう呼ばれても反論できない。

「あれは、一体何なんだ?」

後ろで兵たちのざわめきが聞こえる。

「なんであんなにも冷静に殺せるんだ?」

そういう力を持ってるからだよ。

「あいつは何者なんだ?」

神にも悪魔にもなれると言われた人間さ。

俺はそれを聞きながら再び現れた敵軍を手際よく殺していく。

目の前に城が見える。あれが敵軍の本拠地か。

「待ってろよ。今、殺しに行ってやるからな」

俺はそう言い城に向かって走り出した。

途中邪魔をしてくる奴らはみんな首を刎ね俺は決して歩みを止めなかった。

「待ってろ、オーディン。てめぇを必ず殺してやる」

信五の本気の結末とは……。


次回、最終回……

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