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第3話
「次佐々木の授業だ~」
幸美が楽しそうに笑う。
幸美はりかと私と移動教室を共にしている今時の言葉で言うなればいつめん。
「佐々木ってだれだっけ?」
「うちらの体育の教師じゃん!」
「あぁ~あいつ佐々木っていうんだね~」
たわいもない会話をしながら更衣室へ向かう。
ジャージに着替え体育館に整列すると
タイミング良くチャイムが鳴り教員達が教員室から出てきた。
「広がってー」
勢い良く笛を鳴らす。
「次回からマラソンするから外靴持ってくるようにー」
「忘れたらどーすんのー?」
「小山、どうするんですかだろ?まぁ忘れんな」
「はいはい」
私はもうこの時点で先生の虜だった。
恋愛感情ではない
アイドルを応援するみないな気持ち。
今思えばこの時が一番よかったと思う。
恋愛感情がなかったからか
普通に喋れてた。
普通に笑えてた。