第2話
―4月―
雪が溶け初め、太陽が輝く中
私達は入学式を迎えた。
行きたかった高校の受験に落ち、入学した桃山高校。
制服は紺のセーラー服。
あこがれだった制服に身をつつみ、
保護者たちが待つ体育館へと入場した。
入学式は、ごく平凡。
誰しも思う校長先生の長い話。
無心でいても、入学式は長く感じた。
入学式ってつまらない。
教室に戻った私達は
静かに着席してた。
どこかのお嬢様学校みたいに。
エリート学校みたいに。
窓際四列目の一番前。
これが私の席。
一番前のど真ん中。
同じ中学出身の同性がおらず寂しくて
即座に後ろを振り返った。
「部活なに入るのっ?」
私の後ろの子は
「ふぇっ」と驚いて
「まだ決まってないよ」
と微笑んだ。
三つ編み姿で笑うと目がふにゃってして
アニメ声な彼女。
川島りか。
りかが私の最初の友達。
ふわふわしていて
女の子らしい見た目とは裏腹に
ノリが良く、いつも大笑いする子だった。
2人でいつも大笑いしてた。
初めての体育授業。
ジャージを配られ、体育授業についての説明をされた。
高校の授業は
中学とは違い、担当教師の自己紹介がない。
桃山高校独特のことなのかな…。
だから私はこのとき、
先生の名前さえ知らなかったの。
苗字さえも。
でもこのときはまだ
先生に何の感情もなかったんだ――。
ひとりの体育教師としか思ってなかった。
一週間後、私はあの体育教師の苗字が“佐々木”だということを知る。
―4月―
雪が溶け初め、太陽が輝く中
私達は入学式を迎えた。
行きたかった高校の受験に落ち、入学した桃山高校。
制服は紺のセーラー服。
あこがれだった制服に身をつつみ、
保護者たちが待つ体育館へと入場した。
入学式は、ごく平凡。
誰しも思う校長先生の長い話。
無心でいても、入学式は長く感じた。
入学式ってつまらない。
教室に戻った私達は
静かに着席してた。
どこかのお嬢様学校みたいに。
エリート学校みたいに。
窓際四列目の一番前。
これが私の席。
一番前のど真ん中。
同じ中学出身の同性がおらず寂しくて
即座に後ろを振り返った。
「部活なに入るのっ?」
私の後ろの子は
「ふぇっ」と驚いて
「まだ決まってないよ」
と微笑んだ。
三つ編み姿で笑うと目がふにゃってして
アニメ声な彼女。
川島りか。
りかが私の最初の友達。
ふわふわしていて
女の子らしい見た目とは裏腹に
ノリが良く、いつも大笑いする子だった。
2人でいつも大笑いしてた。
初めての体育授業。
ジャージを配られ、体育授業についての説明をされた。
高校の授業は
中学とは違い、担当教師の自己紹介がない。
桃山高校独特のことなのかな…。
だから私はこのとき、
先生の名前さえ知らなかったの。
苗字さえも。
でもこのときはまだ
先生に何の感情もなかったんだ――。
ひとりの体育教師としか思ってなかった。
一週間後、私はあの体育教師の苗字が“佐々木”だということを知る。