猫、虹の橋を渡る
※本作はフィクションです。実在の法律・人物・団体とは一切関係ありません。
6時になりました。天界ニュースをお伝えします。
彼我の境を流れる一級河川『三途の川』に架かり、彼岸と現世を結ぶ橋が完成し、今日現地で開通式が行われました。
この新しい橋は、地元の要望を受けて総事業費約6億文、49ヶ月をかけて建設されました。
橋は七色に彩られ、欄干には可愛らしい魚の絵と、爪とぎ板があしらわれています。
式辞の中で、閻魔大王は
「水が苦手で、なかなか彼岸に渡ってこられなかった亡者の皆さんも、これで安心して渡って来ることができるようになり、感無量だ」
と語りました。
橋の名称は一般公募によって決まり、『虹の橋』と命名されました。
開通式に併せ、橋名板の除幕式も行われました。
開通式のあとには、猫を中心とした現世残留者の渡り初めが行われました。
*現地の声*
「我々猫は、いままで水が怖くてずっと三途の川を渡れずにいたので、本当に助かります」
「10年以上、現世側の岸に留まって、三途の川で漁などをやって暮らしてきましたが、この機会に彼岸に渡って、先に逝った飼い主に会ってこようと思います」
「こわくなくて、たのしかった」
「我々先達の支払った渡し賃がこんな形で役に立って、猫ちゃんたちも喜んでくれて、こっちも嬉しくなりますねぇ」
建設局河川課 三途の川事務所 赤鬼金棒所長
「虹の橋開通によって、より一層の安全安心な渡りが可能になりましたので、亡者の方々の利便性向上につながるのではないかと考えております」
なお、この『虹の橋』は、猫以外の亡者でも利用可能とのことです。




