魔法の国
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魔法の国
所在地 :N5094JH
統制者 :魔導の神 ソロノ
神力 :魔法付与
物に魔法を込めることができる(詳細不明)
推定危険度:A (要観察必須)
報告回数 :0回
近況 :—
神力影響度:—
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「じゃあじゃあお次は魔法の国?おもしろそ〜」
「……魔法って……なんなんだ?」
天門様に繋げてもらって、魔法の国に到着〜
ここの国はとっても広くてね、結構都会かも。
「今度は広くて建物いっぱいあって迷っちゃう〜」
「どこから行く?魔法っていうくらいだからなんか学校とか?」
「ん〜でも、私はあっち!本がいっぱいある、図書館だと思う!」
「なんでわかるんだ?」
「作者がさっさと進めたいって言ってたから〜」
「小説長いからね、仕方ないね」
図書館に到着〜意外とすんなり入れちゃった。お金もかからなかったし。
図書館の中はね〜辺りを見回すと……
「……すっごーい!分厚い本がいっぱい〜!」
「レアン!もしかしてこれ、全部魔導書か!?ほら!ここに炎魔法って書いてある!」
「「…………あ」」
ちょっと声が大きかったみたい。本を読んでる人達に睨まれちゃったの。
「ラ、ラーン、ここはあくまで図書館だから、静かにしないと!」
「レアンだってさっき声デカかっただろ!?」
ラーンとちょっと揉めてたら……
「おい、おい!起きろ!!勉強するんだろ!?」
「図書館ではお静かにィー」
「このクソガキ!殺す!!」
なんだか私達よりもっと騒がしい変な人達がいたの。
「「………………」」
私達も、もしかしてあんな感じだったのかな……
「ラ、ラーン、今度はちゃんとひそひそ相談しよ……?」
「う、うん、わかった。じゃあ……ぶっちゃけ、ここの国の神ってこの図書館にいると思う?」
「うん……なんとなく……これ以上小説長くなっちゃうと、作者の睡眠がなくなっちゃうから……」
「やっぱり……そうだよなー……」
うーん、人がまあまあいるこの図書館の中で、神様を探すには…………
あ、そうだ。
「ねえねえ〜、神様はこの国の住人には見えないんだよね?」
「ああ、うん、月峯さんが例外だっただけで、普通はそうだな」
「じゃあさーこの国の神様は他の人に話しかけられるってこと、慣れてないんじゃない〜?」
「てことは……手当たり次第話しかけるって……コト!?」
「ざっつらいと〜」
「よし、じゃあまずはあそこのブロンドの髪の女の人に……」
ラーンと私で、すぐ近くに座って何かしている女の人に話しかけてみるの。
「お姉さんお姉さん、それ何してるの?なんか……書き物?」
「………………!これは、珍しいお客さんがいらっしゃったようだね」
お姉さんに話しかけると、髪の奥の瞳を開いて、驚いたけど、すぐに余裕を取り戻したように見えた。
「…………?俺達、ソロノって人を探してるんだ。もしかして……お姉さんだったり?」
少し間を空けて、女の人はゆっくりと息を吐いて話し始めた。
「いかにも。私はこの国を統制する魔導の神、ソロノで間違いないよ」
「……あっ……えっと……また、一発成功?」
「私達、運良すぎ〜……?」
「ふふ、君たちは見たところ、管理の神といったところかな。新しい神興国には一月に一回ほど、管理の神が国の様子を調査に来ると言っていたけど……その様子だと、きっと今までサボっていたから、今日は無理やり来させられたんだろう?」
「「………………」」
「ふふ、二人とも口が開いているよ。図星だったかな?すまないね」
私とラーンは慌てて口を閉じる。
む……なんかこのソロノって人、鋭い……
「む……む〜……合ってる可能性も捨てきれないけど……そ、そんなことより!それ……本……?何書いてるのー?」
ソロノさんは図書館の机で、なんだか分厚い本を開いて、ふわふわの羽のついたペンで小さい字をいっぱい書いてるの。
「ふむ……これが近況調査……みたいなものなのかな?私が今書いているこの本は、魔導書だよ」
「魔導書?って…………」
「ああ。あれも、これも、上のほうにあるのも、あそこの人が読んでいるのも。全部、魔導書だ。ここは魔導図書館だからね。それも全部、私が書いたものだよ」
全部……?全部って…………
「こ、ここの全部の本を、あんた一人で書いたっていうのか!?」
「そうだよ。私の神力は物に魔法を込めることができるから、私が書いた本を読んで勉強すれば、必ず私が込めた魔法が使えるようにできている。それらをこの国では魔導書と呼ぶんだ。ああ、あと昔は、いくつか他の道具にも込めたことがあるけどね、作りすぎちゃって、ちょっとばかりこの国を発展させすぎたようだから、今は本にしか込めていないよ」
ずいぶんたくさんの情報だったけど……ソロノさんはすごく落ち着いて、まるで最初から話す準備ができていたみたいに、すらすらと話を終えたの。
でも、最初からずっと気になってたの。
「あのね……私達まだよくわかってないんだけど、魔法ってなーに?」
「………………あははっ!そうだ、そういえばそれが当然の反応だね。……私はずいぶんと、この国に慣れすぎてしまったようだ」
ソロノさんは小さな笑い声を漏らした後、ぜんぜん理解できないことを口にする。
「…………魔法というのはね、天界にいる様々な神が使っている神力の一部を、私が自分なりに研究して、私の国の人達でも使えるよう、簡略化したもの。言えば、人間が使えるほどの弱い神力だね」
「…………え、えっと……人間に、神力を与えて、使わせているの……?もしかして……神力を使える人間を集めて、天界に攻めたり……?」
「ふむ……まあそうなるか……いや、魔法は私や君たちが使うような神力とは違って、とても弱いものだよ。だから、万が一でも人間が使った魔法が、私達神に危害を与えるような危険性はまったくないからね」
「……な、なるほど……じゃあちなみに、どうしてそんなことをしてるんだ?」
「……娯楽……だね。同じ魔法でも、使う人によって力の引き出し方がまったく違う。中にはずいぶんと……力を引き出せない、なかなか面白い子もいるからね」
面白い子、って言ったあと、ソロノさんがどこか誰かをチラって見た気がしたの。
「ふーん、だいたいわかった……じゃあ今はどんなことをその魔導書?に書いてるんだ?」
「そうだね……この本は、本を読まない人こそ手に取るような魔法を込めているから、読んでも仕方ない、私の日記のような、そんなどうでもいいことばかり書いているよ。例えばほら、『私の好きな食べ物はカルボナーラである。クリームのまろやかさ、そしてそこで一際味のバランスを整えるベーコン。彼らのコンビネーションは、接着魔法よりも強い繋がりである』とね」
「……確かに……すっごくどーでもいい……ほんとにこれで魔法が使えるの?」
「もちろん。魔法も神力と同じで、使うべき人に、使われるためにあるからね」
そう言うと、ソロノさんは書いていた本を閉じて、後ろの本棚に無理やり差し込んだの。
差し込まれた本の背表紙を見ると、寝るだけ簡単!——————睡眠学習を始めよう!って書いてた気がするの。
睡眠学習……だけじゃちょっとどんな魔法かわからなかったな。
「じゃ、神力使用量とかもろもろ調査するから、そこに立って!」
「おお、これが例の神力調査か……君たちの神力も、もっと研究してみたいね……」
ソロノさんはなんだかミステリアスで、不思議な人だったの。
でも、ここにある魔導書全部を書いたっていうのは結構天才すぎるかも……??
「じゃあ俺から!干渉回数とか頻度は……昔の頻度はちょっとアウトっぽかったけど、まあ最近はセーフだし、今は本だけにしてるって自制もできてるみたいだから、まあ、セーフでしょ!」
「はーい、次は私〜神力使用量は…………え……っと……ぜんぜん無いっ!」
「え?どういうことレアン!?」
「んん〜わかんない……わかんないけど……魔法を込めるのはそんなに神力使ってないのかも……優秀なのかな……?」
「ああそれはきっと、私のしてきたことは、神力よりも研究が中心だったからじゃないかな?これだけの魔導書を書いても神力を使いすぎないように、魔法のほうの改良を重ねてきたからね」
んーっと、よくわかんないけど……天才ってこと……?
「じゃあ終わりだよ〜ソロノさん、お疲れ様〜」
「……君たちも、魔導書が読みたくなったらいつでも来ていいからね」
「はいはーい、じゃ、ソロノさんバイバイ〜」
「バイバイ〜かっこいい魔法とかあったら俺も欲しいかも!」
二人で、魔法の国を後にする。ソロノさんは不思議な人だったけど……怖い感じもまったくなかったな……
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魔法の国
所在地 :N5094JH
統制者 :魔導の神 ソロノ
神力 :魔法付与
物に魔法を込めることができる←本に魔法を込めてね〜魔導書を書いてたよ〜
正規危険度:A (要観察必須)←魔法は人間が使えるようにした神力って言ってたから……もしかしたら今後は危険な存在になるかもしれない……けーかいけいぞく……
報告回数 :1回←魔導書読みたかったらまた来てって言ってた〜
近況 :国はソロノさんが作った魔道具のせいで発展しすぎちゃったって言ってた。確かに、広くて都会な感じだったよ〜でも、荒れたりしてないで全然平和な感じだったー
神力影響度:ほぼなーし!魔法の研究をしててね、神力をほとんど使わないで魔法を込められちゃうんだって!かっこよかったー
備考:なんだかミステリアスな人だったけど……怖い雰囲気はなかったよ〜 でもでも、嘘も言ってるかもしれないから、いちおー注意は必要だよ!
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一人の少年が、また図書館にやって来る。
「えーと……いい枕になりそうな本は……っと。あれ、何これ?睡眠学習?」
分厚い本を手に取り、少年は近くの机に向かう。
「おやすみなさーい…………」
おやすみ、少年。魔導書を読んでもまったく力を引き出せなかった君が、これから魔法でますます豊かになりますように。
この魔法は、使うべき君に、使われるために。
いろいろ忙しいので投稿はマイペースですが、
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