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エッセイ

健全なクリスマス?

作者: シサマ


 皆様今晩は! シサマという者です。


 

 今年もあっという間に残り20日ほどになりました。

 来週あたりからはまさに、慌ただしい年末まっしぐらになるのでしょうね。



 さて、今回唐突にクリスマスエッセイを書こうと思ったきっかけは、物価高の昨今とみに顕著である「クリスマスケーキ」の価格高騰化でした。

 ケーキの原材料そのものが日本では自給しきれないものばかりで、かつ今年の長い猛暑は、いちごをはじめとするフルーツの栽培にまで悪影響を及ぼしたのです。


 いちごのショートケーキを例に挙げると、核家族向け5合ホールサイズ(直径約15cm)の平均価格が、なんと4500円弱にまで高騰。

 勿論、クリスマスならではの装飾を省いた平均よりも安価なケーキはありますし、有名パティシエのお店のケーキなどはもっと高価なのでしょう。


 また、小さなお子様が複数いる家庭では、更に高価な6号ホールサイズが必要になる場合もありますから、ケーキも高級品になってしまったという嘆きは理解出来ますよね。



 私自身のクリスマスを振り返ってみると、クリスマスケーキをお腹いっぱい食べた記憶は幼稚園時代で終わっています。

 我が家は家族全員ケーキには執着がなく、大福やどら焼きの方が好きだった事もあり、小学生の頃はもう親に「ケーキ別になくてもいいよ」と言っていました(笑)。


 しかしながら、この言葉はあくまでもケーキをお腹いっぱい食べた経験があったから出るものです。

 値上がりしたからと言って、クリスマスにケーキを食べられない、或いは満足な量を食べられなければ、大人になってクリスマスケーキを卒業する事は出来ません。


 現在は大人であっても、周囲が心配する程にケーキやスイーツを暴食する人が増えている印象です。

 それは勿論、身体を壊さない限りは「スイーツ好き」という言葉で片付ける事が可能で、そもそも他人の嗜好に口を挟んではダメでしょう。


 ただ、そのスイーツへの執着がもし、子どもの頃の飢餓感から来るものなのであれば、その人は健全なクリスマスを送れていたとは言い難いです。

 現代の親御さんは大変でしょうが、お子様が小さいうちは満足出来るクリスマスケーキを買い与えて欲しいと願いますね。



 私は今、「健全なクリスマス」という言葉を用いました。

 

 家庭の事情や嗜好は人それぞれなので、上から目線で健全、不健全を語るべきではありません。

 あくまでも便宜上の言葉だと認識して下さい。



 クリスマスケーキに続いては、クリスマスプレゼントの話をしたいと思います。


 今や世界に名を轟かせるゲームメーカーである『任天堂』は、元々はトランプや花札を売る小さな玩具メーカー。

 その任天堂は、私が小学生になる頃に日本初の小型液晶ゲームである『ゲーム&ウォッチ』を開発し、日本中に「電子ゲームブーム」を巻き起こしました。


 当時7歳くらいだった私は、喫茶店やゲームセンターにある「インベーダーゲーム」に憧れはありましたが、当然ひとりで喫茶店やゲームセンターには行けない身分。

 テレビゲームを小さくした電子ゲームが欲しくてたまらなくなり、クリスマスとは関係ない時期でも親に電子ゲームをねだり続けたのです(笑)。


 しかしながら、『ゲーム&ウォッチ』は当時(1980年前後)でも定価5800円。

 まだバブル景気直前の日本の親御さんから見れば、子どもの玩具のくせに生意気な高値だったのですね。


 結局、その年のクリスマスに『ゲーム&ウォッチ』はサンタさんに許可されず(笑)、『ゲーム&ウォッチ』よりもかなり安価な電子ゲームである『ミサイルベーダー』をプレゼントしてもらいました。


 『ミサイルベーダー』はタイトーの大ヒットテレビゲーム『スペースインベーダー』のパチもんで、当時の定価は3980円。

 ネームバリュー満点の原典をパチもん感覚溢れるゲームに格下げさせてしまう、ある意味天才企業(笑)、『バンプレスト』〜『バンダイナムコ』の前身『バンダイ』から発売されたものです。


 今の技術から考えれば、そりゃあチープなものでしたが、私も2歳歳上の兄も夢中になって遊びましたね。

 そんな兄弟の姿を見て両親も喜んだのか、翌年の私の誕生日には念願の『ゲーム&ウォッチ マンホール』を買ってもらえました。


 それから暫くの間、小学4年生くらいまでは電子ゲームをクリスマスプレゼントにお願いしていた私。

 エポック社の『パクパクマン』、バンダイの『LCDソーラーパワー 激戦Uボート』、トミーの『3D立体ゲーム 宇宙壮絶戦車戦』、バンダイの『ヒーロースタジアム』……今でも現役で機能するものがありますよ。


 そんな私ですが、任天堂が『ファミリーコンピュータ』の成功で電子ゲームから手を引き、日本は空前の家庭用テレビゲームブームに突入。

 悔いなく電子ゲームを遊びまくった私は、やがて兄や父親と同じく、興味の対象を音楽へと移行していきました。


 大人になった今でもPCエンジンミニを購入したりと、レトロゲームが好きな所は相変わらず。

 とは言うものの、子どもの頃に電子ゲームを遊び尽くした私は、プレミアのついた中古品などには全く興味を持たず、子どもの頃の想い出として電子ゲームを胸の中にしまい込んでいます。


 これもまた、健全なクリスマスを過ごせた証と言えるでしょうね。



 小学校高学年から夢中になった音楽への情熱は、40代後半の現在も冷める事はありません。

 レコードからCDへ、一時期は録音にMP3も活用しましたが、私は現在でも音楽の楽しみ方の基本スタイルはCDアルバムなのです。


 アルバムごと音楽に接するので、カラオケのレパートリーや合いの手ハーモニーなどの技術は他の追随を許さず(笑)、京都で暮らしていた頃はカラオケに友達を呼ぶと、ひと晩で20人くらい集めていましたよ。



 クリスマスケーキに始まり、年齢に正直に、無理に背伸びする事もないプレゼントの遍歴。

 その年代を正直に、全力で生きる事で経験出来る「健全なクリスマス」。


 今のご時世では、正直に子どもでいる事、真っ直ぐに大人でいる事も、決して簡単ではありません。

 ましてや人の親でいる事は、私の様な独身には想像のつかない苦労があると思います。


 でも、子ども達に健全なクリスマスを遅らせてあげられる様に、なんとか頑張って欲しいと願い、このエッセイの結びにかえさせていただきます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] わかります~満喫すると自然に卒業できるんですよね(´艸`*) 子どもの頃のあの満ち足りた感覚は決して大人になってからは取り戻せないような気がします。 無理してでも健全なクリスマス&誕生日を…
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