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6)十二神将の唐突な誓い!

 

 爾時衆中有十二藥叉大將倶在會坐所謂…


 その時、座って聞いてた聴衆の中に『十二薬叉(やくしゃ)大将』がいた。

 いわゆる、


 宮毘羅くびら大将 (クンビーラ)

 伐折羅ばさら大将 (ヴァジュラ)

 迷企羅めきら大将 (ミヒラ)

 安底羅あんちら大将 (アンディーラ)

 頞儞羅あにら大将 (アニラ)

 珊底羅さんちら大将 (サンディーラ)

 因達羅いんだら大将 (インドラ)

 波夷羅ばいら大将 (バジラ)

 摩虎羅まこら大将 (マホーラガ)

 眞達羅じんだら大将 (キンナラ)

 招杜羅しょうとら大将 (チャトラ)

 毘羯羅びから大将 (ヴィカラーラ)

 

 という、十二大将だ。



 「薬叉やくしゃ」は「夜叉やしゃ」とも書かれ、本来は人を取って食う恐い化物ですけれど、その化け物の首領たちが仏教に帰依して善神となっていたのでした。

 しかしクンビーラ(金毘羅)さんとかインドラ(帝釈天)さんとか、キンナラとかマゴラガとか、なんか聞いたことあるような、神様や人でないひとたちの呼び名が何人かいます。そのへんの事情はまだよく知らないので、詳しい方いたらこっそり教えてください、さりげなく加筆して、「実はとっくに知ってたよん」という態度で蘊蓄垂れちゃいますんで。(マテ;)



 さて、十二薬叉大将にはそれぞれ七千の薬叉の眷属がいて、同時に声を上げてブッダに言った。


薬叉たち「世尊!! 俺たちは今、ブッダのスッゲエちからで無知をひらかれ、世尊・薬師瑠璃光如来の名号を聞くことが出来ますた! なので、もう悪趣なんか恐くナッシング! 我ら、オール・フォー・ワンとなり、仏・法・僧に帰依し尽くすっスよ! すべての有情に義と利と饒益にょうえきと安楽を与える役目を誓い、どこの村城そんじょう国邑こくゆう、林の中、空間の中だろうと、このお経を流布したり薬師瑠璃光如来の名号を恭敬し供養する者がいたら、俺たちと眷属はその人を護衛するっス!

薬叉たち「みんな、すべての苦難から解き放たれ、願い求めはことごとく満足され、あるいは疾厄があって助けて欲しい者は、この経を読誦して五色の縷(ひも)を俺っちの名前の文字に結べば願った通りになるから、その後で縷を解けばおっけーハイ・オワリ~でス。」


 すると世尊は薬叉大将たちの言葉をほめたたえた。


「素ン晴らしい、素ン晴らしいぞ、偉大なる薬叉将さんたち!! キミたちが薬師瑠璃光如来の恩徳の果報を念じるなら、常にそんなふうに全ての有情さんたちを利益安楽してくれよネ!」


 その時、阿難がブッダに言った。


阿難「世尊。僕たちはこの法門を何と呼んで、どのように奉持すればよいっスか?」


 ブッダが阿難に告げる。


「この法門の名を説くと……! 『薬師やくし瑠璃光るりこう如来にょらい本願ほんがん功徳くどく』。またの名を『十二神将じゅうにしんしょう饒益にょうえき有情うじょう結願けちがん真呪しんじゅ』。さらに別名『抜除ばつじょ一切いっさい業障ごうしょう』。こう憶えておき、実行しなさいナ。」


 こうして薄伽梵ばかぼん(ブッダ)は語り終わった。

 聞いていたさまざまな菩薩摩訶薩、大声聞、国王、大臣、婆羅門、居士、天龍、薬叉、健達縛けんだっぱ(ガンダルヴァ、乾闥婆)、阿素洛あそら(アスラ、阿修羅)、掲路荼かろら(カルラ、迦樓羅)、緊捺洛きんなら(キンナラ、緊那羅)、莫呼洛伽まこらが(マホラガ、摩喉羅迦)、そのほか人ではないひとたちまで、すべての聴衆はブッダの説明を聞いて、みんな大いに喜び、薬師瑠璃光如来本願功徳経を信じて実行することにしたのでした。


 おしまい。



 弟子賈崇俊願平安廣徳二年十二月十五日發心寫藥師經一卷

 (弟子・賈崇俊、平安を願い、廣徳二年十二月十五日に発心し、薬師経一巻を写しますた。)

 


 

 素人阿僧祇願治疫雖令和二年初受依頼於放置再念夏戯訳薬師経一巻

 (素人・阿僧祇、疫病の鎮静化を願い、令和二年初頭にリクされたけど放置してたものを夏になって思い出し、薬師経一巻をてきとーに訳しますた;)

 



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