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底辺男のミセカタ 〜ゴミスキルのせいで蔑まれていた俺はスキル『反射』を手に入れて憎い奴らに魅せつける〜  作者: 筋肉重太郎
第二十五章 第二防衛基地での契約

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近づいた実感

 橋波宗太郎。俺と同じ高校2年生。来年高校3年生になるはずの将来有望な高校生。


 確かクラスは俺の隣で友達も多い。騎道優斗と違い、楽観的と言うよりも社交的で、友達の種類も賢そうな子が多かった印象だ。





 そして何より……あの幼馴染みを尊敬している護衛騎士団の一員でもある。





(それが今……目の前にいる!)


 全身から達成感で力が抜け、頭から背骨にかけてゾクゾクと身震いがする。前回のようにかりそめの肉体でではない。正真正銘、田中伸太の肉体で相対している。


「素晴らしい……」


 思わず俺らしからぬ言葉が出てくる。


「さっきから何をぶつぶつと……魔剣捻出!」


(魔剣捻出……)


 確か護衛騎士団全員が持つスキルで、強力な効果を持った武器をどこからともなく取り出すことができるスキルだったはず。そして橋波の魔剣の内容も俺は把握しているはずだ。


(確か……)


「デュールウィング!!」


(あ、そうそう。デュールウィング)


 超巨大なバスターソード。騎道兄弟の村雨とディルヴィングと違うのはその大きさ。成人男性1人分レベルの大きさは、人間の肉ぐらいなら10人まとめてぶった切れそうだ。


「黒ジャケット…… 1つ聞いておきたい。やっぱりお前は最初から新潟派閥の手先だったのか?」


「…………」


「この戦争だけの話じゃない! 神奈川派閥の時から……あの時から、この時を狙って裏で繋がっていたのか!?」


(……なるほど、橋波からはそう見えるのか)


 どうやら橋波は文字通り、俺が最初から最後まで新潟派閥からの差し金で、東京派閥との戦争を最初から考えていた……そう考えているらしい。


(まぁ、答えてやるか)


 どうせ、今回の戦争に関しては新潟派閥に深く関わっているわけではない。なんとなしに参加し、それが都合良かっただけ。話しても問題のないことであろう。


「……知られても良いことだから教えてやる。まず、今の俺はお前らの敵で新潟派閥の味方だ……だが、この戦争での話であって、お前の言うように最初から新潟派閥に属していたわけではない」


「……では、何故新潟派閥に味方する」


「簡単な話さ。俺は今の東京派閥が嫌いでね。逆に新潟派閥は居心地がいい。好きに休めて、好きに暴れられる。もっと良いところが現れない限りは拠点にしようかと考える位だ」


「……そうか」


「おや? もうちょい質問されるかと思ったんだが。例えばなぜそんな人殺しをするのかとか……」


「……お前の事は神奈川派閥の頃から知っている。今更そんな無粋なことは聞かないよ」


 そう言いつつ、橋波は刃の先を俺の方へ向け、戦闘体制を整える。あっちはもうやる気のようだが、俺としてはもう少し話していたかった。


「ちょっと待ってくれよ。質問に答えたんだから、俺の方の質問にも答えてくれよ」


 なぜ、とっとと戦闘に場面を発展させないのか。それは目の前の人物が橋波だとわかった途端、直感でできるかもと思ったとある策を実行に移したくなったからだ。


(ハカセに言われたのは、第二防衛基地を壊せってだけだったし、もう少し時間がかかっても文句は言われんだろ)


「犯罪者の話など聞くと思うか?」


 普通ならそうだろう。しかし、お前は違うだろう? あの4人の中ではお前が1番人間よりのはずだ。


「まぁ待てよ。そっちの要求には答えたのに、こっちの要求には答えないなんて、そいつは人道ってものに反してるんじゃねぇのか?」


「……貴様など人間ではない」


「人間さ。それに人間でなくとも……」


 ほんの少しだけ、殺気を前に出して言葉を発する。





「俺に勝てると思っているのか?」





 その瞬間、橋波の顔が青く、口がへの字になり、恐怖を顔面に貼り付かせる。


「……!! こ、これは……!!」


(そうさ、神奈川派閥で苦戦してた時の俺じゃねぇ)


 今の俺はお前らが東京派閥でぬくぬくしてる間、必死に実践経験を積んできたんだ。


(温室育ちのおまえらとは訳が違うんだよ)


 橋波は絶対に勝てない。なぜなら、目の前に立っているのが他でもない俺だから。


 だから俺の質問にも答えてもらう。死ぬ前の遺言代わりみたいなもんだ。


 俺の殺気に怖気付いたのか、了承の返事が聞こえない。ので、一方的に質問させてもらうとしよう。


「第二防衛基地がこんなになるまで来なかった理由は?」


「……最終防衛基地への情報共有を終えた後だからだ。帰ってきたらお前がいた……それだけのことだ」


 ちょうどよく戦意を剥ぎ取れたようで、ちゃんと素直に答えてくれた。

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