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底辺男のミセカタ 〜ゴミスキルのせいで蔑まれていた俺はスキル『反射』を手に入れて憎い奴らに魅せつける〜  作者: 筋肉重太郎
第二十四章 第一基地防衛戦線

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第一防衛基地本陣 その6

「ぐ……うが……」


 私が首を絞められ、鎧の男は私の首をつかんでいるこの状況は、外から見れば勝負が決まる直前で、このうめき声も私のものだと勘違いするだろう。


 しかし、事実は違う。逆転している。と言うわけでもないが、まず間違いなく追い詰められているのではなく、お互いに五分の状況になっていた。先程のうめき声は私ではなく鎧の男によるものなのがいい証拠だ。


「ぐっ……どうしたの……? コホッ……わ、私を……捕まえる……チャンスなんじゃないの……?」


 ここぞとばかりに煽っていく。私はもう煽ることしかできない。首を絞められ呼吸もできず、視界もぼやけてきたがそれでも、発動しているスキルを決して解除せず、残った意識の全てをスキルへの集中に当てていた。


「む……にゃ!? 足がっ……」


 首を握っていた側である鎧の男の足が自然と変な形に曲がり、胴体に向かって吸い付いて行く。


「ぐっ!?」


 胴体に吸い付いているのは足だけではない。腕も悲鳴を上げ、なんと関節関係なく肩へと()()()いくように凹む。私を握っている腕も沈み込みこそしないものの、至るところから血が流れ出ていた。


(痩せ我慢ね……立派なもんだわ)


 首もだんだんと短くなり始めている。それはまるで胴体に何か()()()()()()が埋め込まれているかのような。


(ふふ……実際その通りなのだけれどね)


「がっ、貴様……! やってくれたな……!」


 鎧の男は先程とは比較にならない眼光でこちらを睨みつける。その目の光の中には、こちらのやっていることに気がついているような、そんな確信めいたものが感じられる。


「貴様……あの時砂鉄を……!」


「さすが……! もう気づいたの……グっ……まぁ、もう遅いけど……!」


 鎧の男の言う通り、私はとあるタイミングで鎧の男の体内に砂鉄を紛れ込ませた。


「あなたが……私の攻撃をもろに喰らい続けてくれていた時! あの時に……ごほっ、開いた口や……鎧の間に滑り込ませるのは、対して難しくはなかった……!」


 そうだ。あの時の真の狙いは砂鉄で不意打ちするのではなく、不意打ちに使った砂鉄を後ろで固めて相手の体を引き寄せるのでもなく。



 本当の狙いは、後ろで固めた砂鉄を少しずつ鎧の隙間や開いた口に密輸し、体内に入った砂鉄の磁力で破壊することだったのだ。



「こうなったら……私の勝ちよ! ゴホ……わかったらさっさと首を離して! 命ぐらいは助けてあげなくもないわよ……」


「ふざけるな……貴様が約束を守る確証もないだろ……ぐっ!?」


 こう話している間にも、私の意識は途切れるまでのカウントダウンを着実に刻み、鎧の男の体はベコベコと凹んでいく。


 互いにタイムリミットは近い。どちらかかどちらかを許さない限り、その時は突然やってくるだろう。


「貴様こそ……これを止めさなさい! 安心しろ、悪いようには……」


「止めるわけないでしょ……!」


 完全な水掛け論。口ではこう言っているが、口で言う前に回答など決まっている言葉たちが並ぶ。


「ぐっ……この会話に価値は無いな…….しかし……! 相打ちと言うわけではないぞ……」


「…………」


(声が……言葉を話すことさえ面倒になってきた……)


 鎧の男の言う通り、このままでは相打ちの結末が見えすぎている状況だが、実際のところはそうではない。むしろ確実にどちらかが生き、どちらかが死ぬ末路が待っている。


「貴様を殺せば……スキルの効果も切れる……」


「…………」


 今の状況は自然発生しているものではなく、お互いの力が関係して発生しているものだ。


 それすなわち、どちらかが死ねばどちらかを苦しませる枷が外れ、自由の身となる。


 全く同時に死ぬなんてことはほぼありえないため、どちらかが確実に死に、どちらかが確実に生きると言うわけだ。


「よく絞り出した作戦だったと褒めてやりたいところだが……結局は運任せの作戦だったようだな……!」


 首を掴む上での力がより入る中、絞り出た言葉は――――





「ど、こが……?」





 それは発射を促す引き金となり。





「グガアアアアアアアアアアアア!!!!」





 背後の龍から、黒く白いブレスが放たれ、私と鎧の男どころか、戦場全体を光で包み込んだ。





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