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底辺男のミセカタ 〜ゴミスキルのせいで蔑まれていた俺はスキル『反射』を手に入れて憎い奴らに魅せつける〜  作者: 筋肉重太郎
第二十四章 第一基地防衛戦線

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第一防衛基地本陣 その5

 偽黒ジャケット視点です。

 何とか当てることには成功した。見よう見まねだが、彼っぽいことができたのではないだろうか。


 念のため、服の中に忍ばせておいた残りの砂鉄。うまいタイミングで塊にした砂鉄を放出し、アゴを跳ね上げた後、分散した砂鉄を鎧の男の頭の後ろで再び固めて引き寄せ、ためを作った握り拳に鎧の男の頭ごと吸着させた。


(まだだ……まだ!)


 鎧の男はまず間違いなく今の状態に気づいていないしロジックにも気づいていない。後方にある砂鉄が気づかれない限り、消されない限り無限に攻撃を続けるべきだ。


「おおおおおおおおーッ!!!!」


 ラッシュラッシュラッシュ。足も腕も、時には頭も使ってラッシュを叩き込む。スキルのない攻撃などたいしたことは無いかもしれないがそれでも脳震盪は起こる。


 戦える。勝てると自分に言い聞かせつつ、何度も何度も拳を顔面に叩きつけた。









 ――――









 何度も頭に衝撃を加えられていくうちに、なるほど。と、私はだんだんと自分の現状を理解し始めた。


(なるほど、なるほどなるほど!! 考えたね!!)


 砂鉄でアゴを跳ね飛ばされたということは、その砂鉄の塊は後方へ弾け飛んだに違いない。そして彼女のスキルなら、私の真後ろにある砂鉄の操作など取るにたやすい。


 つまり、彼女の作戦は隠し持った砂鉄で不意打ちすることなどではなく、不意打ちした後の砂鉄をバレずに集め、その磁力で私ごと自分の元へ引っ張ると言うものだったのだ。


(そして、その磁力の元はあの龍!)


 磁力には2つの磁石、もしくは鉄が必要だ。だからこそ龍を呼び出し、必殺の一撃として利用するとともに、自分の元へと砂鉄を集める磁力の源として利用しているのだ。


(なぜスキルもなしにわざわざ前に立ち塞がってくるんだと思っていたが、そうではない! 私の前に立ち塞がったのではなく、私と龍の間に()()()()()のだ! 砂鉄の磁力を利用するために!)


 考えれば考えるほど、あっぱれと称賛の感情が浮かんでくる。それと同時に、その力を正しいことに、欲を言うならば東京派閥のために使えたらともったいない感情が浮かぶ。だが、これは戦争。情を出した者から死んでいく。


「さて、反撃と行こうか」


 殴られ続けながら、急に声を発した私にギョッとした表情を浮かべる偽黒ジャケットだったが、そんなものは関係ないと、すぐに冷静な表情を取り戻す。


「!? ……何を言うかと思えば……ッ!」


 殴られ続けていようと関係ない。接近戦でスキルを使っていないのなら、私に圧倒的に利がある。それを証明するように、腕を素早く動かして首を掴み締める。


「うっ……ぐ……あ……」


「すぐには殺さないぞ……このまま東京基地へ来てもらう!」


 人間の第二の心臓と呼べる首を掴んだ。それすなわち彼女、偽黒ジャケットの命をつかんだも同義。このまま力を入れて殺し切りたいところだが、黒ジャケットを名乗った偽物ならば、黒ジャケット本人とつながっている可能性も高い。捕らえられるなら捕らえてしまいたいのが本音だ。


 しかし油断もしない。死なない。ギリギリまで力を入れる。正直気絶してもらっても構わない。生きてさえいればそれで充分だ。


「が……ああ、あ……」


「ふーっ、ふーっ……よくもボコスカと殴ってくれたね……仕返しをしたいところだが、それは拷問部屋でのお楽しみだ!」


「ああ……あ! あ!」


「どうだ!? どんどん意識が落ちていく感覚は!? 首の締まり切っていない今ならまだ何かしゃべれるかもしれないぞ!! まぁ、喋れるだけだがね!!」


 だんだんと強くなる手。偽黒ジャケットにとっては自分の意識がなくなるまでのタイムリミット。ここまでくると勝ちを確信し、少しいたずら心が発動してしまう。


「……そう、ね……気持ち、いい……や……」


「そうだろう! そうだろう! 意識が落ちていく感覚はゆっくりと力が抜けていくからね! まるでベッドの上のような感覚がするだろう!?」


「ええ……そうね。だから――――」


 そこで感じたのは、この状況がぐるんとひっくり返るような。







「――――あなたも味わってみて」







 体に何か、無数の針が刺すような。




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