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底辺男のミセカタ 〜ゴミスキルのせいで蔑まれていた俺はスキル『反射』を手に入れて憎い奴らに魅せつける〜  作者: 筋肉重太郎
第二十四章 第一基地防衛戦線

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神獣の咆哮

 白い世界に現れた1粒の小さな黒。


 ……黒豆? 黒柴? それくらいの小さいサイズ感ではあるが、存在感は抜群だった。


 その存在感の理由は、白い世界をコントラストに、体毛の色である黒が映えるのが理由である……のもあるが、藤崎橙子には目の前の黒が大きく見える理由がもう1つあった。


(何……!? この、異質な感じ……?)


 黒い犬から感じられる、圧倒的強者のオーラ。


 それが人間から発せられるだけであれば、ただ者ではないと感じてそれだけで終わりだが、それが黒い犬から発せられることで、ただ強いだけでは無いと感じさせる異様な空気感を演出していた。


 いつもならすぐに逃げるか、臨戦体制を整えるかしているのだが、今の橙子はそのどちらの行動もとらなかった。


「はぁ……はぁ……」


(体力が……)


 橙子本人も理由がわからない脱出の仕方をしたところで、体力が元に戻ったわけではない。黒ジャケットである田中伸太に敗北し、1つ前のグリードウーマン戦にも事実上の敗北を喫した橙子には、もう戦うどころか行動自体を行う体力すら残っていなかった。


(人間以外の生き物でここまでの力を……これが有りうるのなんて、大阪派閥の生物兵器ぐらいしか……)


 こんな状態でも戦争黄金期を生き抜いてきた人間だ。大阪派閥の生物兵器は当然のこと、その生物兵器を売ることで利益を得ていることも当然把握している。


(だけど、見たところかなりの力を持っているように見える。それこそ十二支獣にも匹敵するんじゃいかってぐらいの……)


「ガヴ」


「……っ!?」


(向かってくる! 無防備に見えるほどおもむろに! どうする、回避か? それとも攻撃をぶつけるか?)


 無防備に見えるほどおもむろに、無作為に見えるほど、普通の速度で突っ込んでくる黒い犬。超スピードなわけでもなく体躯に見合いすぎる小さな歯をギラつかせ、ただ噛み付こうとしてくる。


(近所の飼い犬が荒ぶってるだけにしか見えない……けど、回避が安定択なのは明白。でも……)


 既に予定よりも向かう時間をかなり使ってしまっている。少し前までならいつ行っても変わらないと割り切れる程度の時間のロスだったが、もうそろそろ間暇できない。


(もう、倒すしかない!)


 橙子の選択は"戦う"ことであった。


 このまま逃げ惑っていては、直接戦うよりも時間を使うのは明白。ならすぐに終わらせて……何なら、今から撃つ拳の一撃でノックダウンして向かう。これが橙子が選んだ最選択。


「こんのぉ!」


 橙子の拳と黒い犬の衝突し、煌びやかな閃光を放ち炸裂する。田中伸太と戦っていた時とは程遠い威力のぶつかり合い。


「……」


 結果、黒い犬の牙は橙子の腕をいともたやすく引き千切り、胸の肉をごっそり持っていった。


(そ、そんな……)


 橙子の敗因は、黒い犬にばかりに気を取られ、自分の状態を勝敗を決める勘定に入れていなかったこと。


「ごめん、ね……牡丹……」


「ワウーン? ワウ」


 黒い犬改め黒ジャケットの右腕、ブラックの強さを根本的に見誤っていたことであった。

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