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底辺男のミセカタ 〜ゴミスキルのせいで蔑まれていた俺はスキル『反射』を手に入れて憎い奴らに魅せつける〜  作者: 筋肉重太郎
第二十四章 第一基地防衛戦線

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スキルと秘密の注射器

(スキルが真に発現したのが……ホモ・サピエンスが存在していた時代だって?)


 訳がわからない。グリードウーマンの言葉が正しければ、スキルが真に発現したのが約30から20万年前で、西暦2040年。つまり今から30年前に起こったスキルの発現が、スキルが再発した年だったと言うことになる。


 あまりに話が飛躍しすぎている。


(いや……そもそも……)


「それが本当なら、世界の歴史が動くほどの驚愕の事実だが……そもそも、それが注射器と何の関係がある」


 当たり前だ。そりゃそうだ。いくらスキルの歴史が今まで信じられていたものと違うものだったとしても、現代に生きる俺にとっては関係ない。今俺が聞きたいのはあの注射器の秘密であり、スキルの歴史ではないからだ。


「……言ったでしょ。あの注射器の中身は()()()()能力を持っているって……」


 グリードウーマンは先ほども言った言葉を繰り返す。それはわかっている。しかし、それでは特定の人物しか凶暴化しない。いくら巻き戻しても対象者の現在が劣化していないとむしろ弱体化しかねない。


 使用経験有りのグリードウーマンはそこまで歳をとっているように見えないし、過去の方が強かったとは思えない。俺が聞きたいのは対象者がなぜここまで強くなるのかだ。


(いきなりお前の持論を展開されても困るんだよ……今聞きたいのは事実だけなんだ)


 少しの苛立ちを覚えながら、グリードウーマンにさらに詰め寄る。


「それは知っている。だから俺が聞きたいのは……」


「……巻き戻してどうして強くなるのかでしょ? その内容なら、もう半分以上話しているわ」


「……はぁ?」


 半分以上話している? おかしいな。俺の耳が腐っていなければ、さっきから聞いた話の半分以上が嘘か真かもわからないスキルの歴史ばかりで注射器の内容は何1つ言っていなかった。


(……待て、逆に考えろ……)


 注射器の概要は巻き戻す能力。そしてグリードウーマンは公表した途端、急にスキルの歴史について語り始めた。そしてグリードウーマンが言うには、その急に歴史を語り始めた部分がなぜ強くなるのかの内容であると。


(つまり……巻き戻すってのは……)


 最初に言ったグリードウーマンの言葉を思い返して、そこで俺はハッとした。


『……それは人間を巻き戻す効力よ』


 "人間"を巻き戻す。スキルすら"発現したころ"に戻すのだ。巻き戻す過程を得た結果、注射器を使う前にできなかったこともできるようになる。肉体も強化される。


(つまり……つまり……)


「……どうやら、わかってくれたみたいね?」


 それは、少なくとも裸足で逃げたくなるような、信じたくない結論。





「お前は……俺たち人間の先祖があんなにも醜い姿だと……そう言いたいんだな?」





 グリードウーマンは首を縦に振って肯定する。俺の口からは自然と溜息が漏れていた。


(なんてことだ……)


 となると、強くなる理由もなんだかんだ説明がつく。


 まだまだ解明されきっていない旧石器時代。そこに生きていたホモ・サピエンスと言われる人物は、今よりもずっと強力なスキルを種族単位で持っていて、それに合わせて肉体も筋骨隆々だった。それも化け物に見えるほどの。


(むしろ、あまりにも強すぎるスキルのエネルギーに耐えるためにあんな肉体になったのかも……)


 そこから人間に進化していく過程でスキルが必要なくなり、肉体も俺たちがよく知る人間のものになり、スキルも弱体化していった。


(あの注射器は人間をホモ・サピエンス時代に先祖返りさせるから強くなる……そういうことか)


 理論的には理解できる。だが、肝心の部分である根本的な部分がどうしても信用できない。


「理解できたぜ……お前の言っている歴史が事実だとしたらな」


 グリードウーマンの証言には立証できる証拠がない。それが確実なものとわからなければ、納得感のあった理由にも陰りが生まれてしまう。


「証拠はあるのか?」


 グリードウーマンは首を横に振る。


「無いわ。当たり前じゃない。人間が何百年とかけて解明しきれていない時代の話なのよ。私ごときが証明できる規模の内容じゃ無い……でも、この私の話の出所を聞けば、ちょっとは信用する気になってくれると思うわよ」


(話の出どころ?)


 俺が止める理由はないので、アゴを少し前に動かし、話すことを催促した。


 しかし、次に飛び出たグリードウーマンの言葉は、アゴで催促するほど軽い内容では決してなかった。





「私がこの話を聞いたのは……東京派閥の異能大臣……もちろん、注射器を貰ったのもね」





 頭に黒いモヤにかかるのを明確に感じた。

 


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