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その後、避難所 その1

 さて、本編の前に、少しお話を。


 前話のことを謝罪させてもらいます。誠に申し訳ございませんでした。

 もともとこの先、仕事が大変になるので、書だめとして残していたのですが、間違えて予約投稿してしまい……まだ書き途中の700文字程度の文章が間違えて投稿されてしまいました。

 しかし、もともと投稿する予定の文章でしたので、削除するわけにもいかず……なので、前話は残した状態で本来一緒に投稿する予定だった文章を今回、投稿させていただく形になりました。


 これからの話ですが、先に言った通り、これから仕事が忙しくなり、投稿ペースが2.3日に一回に落ちることになります。1週間に3話は投稿する考えでいますので、ご心配なさらず………!


では!本編をお楽しみ下さい!!!!

 俺たちは避難所に到達し、地に足をつけていた。降り立ったのは俺を含めて3人であり、優斗はまだ帰ってきていない。だが、もうじき帰ってくるだろう。


 一応、今回の任務は異能大臣以外は知らない極秘任務だったため、避難所の裏口から入ることにしよう。

 俺は2人に指示し、3人で一緒に裏口から入る。ガチャとと言う音を立て、ドアノブをひねり、入り口入ると、そこにはまるで、待ち構えていたかのように異能大臣が待ち構えていた。


「待っていましたよ……おや? 優斗くんは?」


「あいつは……もう少し後に帰ってくるかと」


 俺は異能大臣が一瞬、表情を変えたのを見逃さなかった。


「ふむ……まぁいいでしょう。任務は達成できましたか?」


「……すいません」


「ふふふ……まぁ構いませんよ。最初から奪い返せるなんて思っていませんし」


 異能大臣は俺たちに向かって不可解な言葉を投げかけてくる。その言葉により、異能大臣への不信感がいっそう強まった。


(奪い返せるなんて思っていなかっただと……?)


 ならば、より俺達じゃなくてもよかったはずだ。俺たちを試すためだったら、ここまで重大な任務でなくてもよかったはず。そもそもあのウルトロンはそこまで重要なものでは無いのか?疑問は深まるばかりだ。


 しかし、今はとにかく結果を報告せねば。


「しかし……犯人が乗っていたと思われるリムジンからこんなものが見つかりました」


 俺はそう言い、右腕に持っていた鉄の玉を差し出す。


「……ほう」


(反応したな……)


 まさかと思っていたが、反応した。反応したぞ。今回の件、犯人たちにも何かしらのものがあると思っていたが……やはり、今回は他の事件とは違うのか。こんなことになるのなら、もっとしっかり異能大臣の動きをチェックしておくべきだったと後悔する。


「……これは私が持ち帰ってチェックしましょう。お三方はもうお休みに……いや、4人ですね」


 その時、後ろからズドンと重い着地音。外の地面がひび割れ、煙の中から優斗が現れる。不機嫌そうな顔で歩いてくるあたり、俺の思っていた通りになったのだろう。


「どうだ? 犯人は見つかったか?」


「うるせーよ、雄馬……わかってるくせによ」


 優斗は俺に対して悪態をつく。やはり見つからなかったようだ。


(見つからなかった……という事はやはり……)


「すいません異能大臣。犯人を捕まえることができませんでした」


 優斗は異能大臣に対して、頭を下げ、謝罪の言葉を述べる。何度も思うが、俺たちといる時と他の人間がいる時では、まるで言葉選びが違う。少し前の横暴さは感じられず、誠実な青年のような印象を受ける。


「いえいえ、構いませんよ。もともとあれは神奈川のものだったようですし……少し黒い話ですが、東京にはまるで関係ないのでね……ささっ、B市まで行って疲れたでしょう? 4人分の毛布はとっております。休眠スペースで朝まで休んでいきなさい」


「……ありがとうございます」


「あざす……」


「……はい」


 そう言って、優斗、宗太郎、友燐の3人は避難所の中に入っていく。初任務が失敗に終わったのがショックだったのか、3人とも足取りが重そうだ。3人が出て行った後、1人残った俺は、異能大臣に二人っきりで問い詰める気でいた。


「さて………二人っきりになりましたね」


「……そうですね」


 言葉には出さなかったが、俺は内心驚愕していた。

 こちらの心の中がわかっているかのような言葉の内容。含みのある言い方。こちらが見透かされているかの様だ。


「異能大臣……少し、話が」


「ふふふ……なんでしょうか?」


 俺は一息つき、高鳴る鼓動を落ち着かせ、一拍置いて話し出す。


「なぜ、今回の任務に我々が選ばれたんでしょうか」


「……ふむ、あなた方が望んだ内容だったと思うのですが」


「確かに、今回の任務は俺の弟、優斗が口走った言葉を異能大臣が拾い、実行に移ったものです。ですが異能大臣。今回の任務は誰から見ても、高校生がやっていい難度ではなかった。長年異能大臣を勤めているあなたなら、簡単にわかることだったのでは?」


 俺は今回の任務についての疑問、その大部分を伝える。


「……東京派閥にとって、将来有望なあなた方に期待し、少し難しめの任務を与えた……」


(嘘だ)


 見え透いた嘘。今回の任務は少し難しめとか言う難度ではない。そもそも今回の会議自体が重要なものだと聞いている。そんなタイミングで俺たちを試すなど論外。少し難しめの任務を与えるとしても、もっと別の余裕のあるタイミングでよかったはずだ。


 そんな程度の嘘で、俺が騙されるわけが――――



「…………なんてごまかしが通用するわけがありませんね」



「……は?」


 なんだこれは。自分から暴露した。何か作戦があるのか?それともただのおふざけか。


「そんな怖い顔しないでくださいよ。今のはジョークですよ! アメリカンジョーク!」


「……あまりふざけないでください。本当の理由を聞かせてもらえれば、それで満足ですので」


「コホン……では……」


 やっとだ。今回の任務。その理由、その魂胆が聞ける。早く言わないか、1分1秒がとてつもないほど長く感じる。口を開けて喋り出す。そんな少ない時間なのに、なんでここまで長く感じる。ああ、同じことを2度言ってしまった。時間よ、立て、ああ、同じことを3度も――――



「犯人を捕まえるためですよ」




「……なんですって?」









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