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歓喜

「ふぅーー……」


 あれから数時間経ち、午前3時。ワシは後ろを確認し、追ってきていないことを確認すると、一息つく。そして、運転をしながらも上を向いて……


「逃げ切ったぞーー!!!!」


 大声で叫ぶ。並んで運転している車から、驚いた犬の声が聞こえるが、そんなものは関係ない。ただ逃げ切り、任務を終え、5体満足で入れていることをかみしめる。


「勝った、勝った! 勝った!! あの神奈川派閥に! あの東京派閥に!! ワシは勝利したんじゃ!!!」


「おまけに伸太も生存! ウルトロンも強奪! 完全勝利じゃ!」


 ワシは喜びを体で、声で、仮面で隠れた表情で体現する。既に高速道路を使い東京に入った。病院もすぐそこ、店主の店も明日にも到着する事だろう。

 スチールアイは全て失ってしまったが、それを差し引いたとしても、その功績は大きい。伸太の知名度も、正体不明の大犯罪者として大きな船出を迎えた。男として、知名度が上がると言うのは、危険度は増すとわかっていても、テンションが上がってしまう。伸太も同じようなを反応することだろう。

 ワシは高速道路を降り、ついに東京の大地に足を踏み入れた。今回足はではなく、タイヤだが。


「今日のうちに病院に連れていっとくか……離れの小さな病院なら、多少は融通も効くじゃろう」


 そうやって、スマホで病院を調べ、車を勢いよく滑らせた――――









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