龍ヶ崎震巻の独自
まさかの昼投稿。よるもあるよ〜
「第一空龍部隊。状況はどうだ」
『こちら第一空龍部隊。異常は見られません。どうぞ』
ついに新潟派閥の大進行が始まり、遠くから見ても視界の範囲に覆いきらないほどの人数が耐久性装甲車に乗り、1つの方向に向かって進んでいた。
その姿はまるで鳥の群れ。先頭にいるリーダーに従い進んでいく。
そして、その先頭。リーダーポジションにこのワシ、龍ヶ崎震巻は鎮座していた。
「親父。この先しばらくは何もなさそうだ。寝ていてもいいぜ」
「いや、よい……肝心のワシが眠っていては示しがつかん……」
適当なことを言い、話を切り上げるが、示しがつかないと言うのは当然建前。本当はとあることについて考えていた。
(送り込んだ忍びたちの報告があれから一切ない……何があった?)
ワシは黒ジャケットと初めて会った後、黒ジャケットとあの黒い犬を監視するため、新潟の兵士とは少し顔色が違う潜入任務に特化された忍びを送り込んだ。
忍びは兵士の中でも潜入に特化した者たちで組まれた組織ではあるが、戦闘能力も侮れない。そんな彼らを送り込んで、何も反応がないと言うことは……
(やられたと言うのか……!? いや、しかし……)
それにしては黒ジャケットのようすがあまりにもフラットすぎるし、メリットがない。
亮介の会議での騒動は、そんなワシにとって渡りに船だった。警戒度ゲージが一気に高まった黒ジャケットと犬を後ろに遠ざけ、一時的にではあるが監視することができるのだから。
さらに加えると、黒ジャケットに処遇を伝えると言う理由で、部屋に上がり込むこともできた。そこにいたのは、やたら胸のでかい女だけで、たいした収穫はなかったが……
(ドクターがここに参戦してきたり、思った以上に不安要素が多い……)
しかし、負けるわけにはいかない。ワシが負けると言うことは新潟派閥の終焉を意味する。あのクソどもだろうが老害だろうが、負けるわけにはいかないのだ。
勝つためのカードはある。頼りになる息子たちもできた。
(この戦争で、ワシらの時代を終わらせる……)
準備はできている。
――――
「……ん? なんだブラック、お前よく見たら、歯に血みたいなもんが……」
「ワウ?」
「……ま、いっか!!」