結局、風呂に入ったらなんだかんだリラックスする
体を洗い終えた……いや、体を洗われた後、俺は湯船に浸かり、つかの間のリラックス体験を味わっていた。
(やばかった……ホントに……もう少しあれが続いたら理性が保つかわからんかった……)
凄まじいものを見た……本当に凄まじいものを。
大阪派閥の牛やキングの2人よりもっとすごい。男の本能を刺激するとんでもない体験をした。
(恋人はこんなことを毎日体験するのか……? 精神力だけで言ったら、有名な兵士なんかより、よっぽどあるぞ……)
俺たちの世代を産み落とした前世代の人々を称賛しつつ、先程まで、体を洗われている時のことを思い出す。
本当に目に悪かった。タオル越しに体を洗われている時はともかくとして、ときたま体のどこかとどこかが擦れ合う時がある。あれがマジでやばい。女の体はどこもかしこも柔らかすぎて、正直胸が触れてしまったのではないかと逐一妄想してしまう。
そこまではまだいい。いや良くないのだが、股間がヤバすぎてあれがあれでやばいのだが、真にやばいのはシャンプーの時だった。
座りながら顔を俯かせ、袖女は俺の前に立って頭に触れるわけだが……目線の位置が飛んでもなかった。袖女の首から下を見下ろすわけである。
(もうマジでやばかった…… 1番最初にあれをやられたってのもやばかった……)
が、確かに何度も言うようにやばかったが、たった1回一緒に風呂へ入った程度で理性が粉々になるほど、人間性ができてないとは思わない。
そんなわけで何とか耐え切り、自分の体を洗う袖女を横目に、湯船を味わい今に至る。
「あ〜……」
(でもやっぱ……なんだかんだ気持ちいいな……)
湯船につかる感覚と言うのは裸でありながら、暖かさも感じることができるもの。気持ちいいのは当然として、目を瞑れば袖女が体を洗っている音が聞こえ、触れていないのに人肌を感じることができる。
少し目を閉じていると、なんだかうとうとしてきた。袖女もいることだし、何なら眠ってしまってもいいかもしれない。
(このまま眠れれば……)
ぽちゃり。と大きめの水音。続く水の揺れ。
「お邪魔〜」
眠気が一瞬で覚めた。