表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
679/783

マーキング その1

 

 黒のクイーンの倒し方が決まった今、これ以上時間をかける必要もない。とっとと叩き潰すことにしよう。


 現在、黒のクイーンはボロボロだ。対して、俺の体はすっぴん。誰から見ても傷一つない体だ。コンディションの差は歴然。このアドバンテージを活かさない手はない。


(黒のクイーンからは仕掛けてこない……なら!!)


 反射に闘力操作を足に発動。血が後頭部に溜まっていく感覚を感じながら、驚異的なスピードで接近する。対して、黒のクイーンはその場にぼっ立ちになったまま、右手の人差し指と中指を上に向けているだけ。


 ここまでは想定通りだ。何故かと言うと、黒のクイーンは俺の速度に絶対に対策できていない。対策できているのなら、先程のタイミングでとっとと切っているはずだからだ。


(指を上に上げているのが気になるが……この際、そんなことどうでもいいわ!!)


 お構いなしに殴りかかろうとした瞬間、後ろへぐっと、まるで髪の毛が引っ張られたかのような感覚とともに、目にも止まらないスピードで進んでいたはずの体は、一気にスローモーションになった。


(これは――――)


 これはチャンスとばかりに黒のクイーンは俺に接近、右腰を大きく振りかぶり、顔面に向かって振り落とした。


「ぐおっ!?」


(こいつ……思った以上に腕力がありやがる!)


 十中八九スキルによる評価もあるだろうが、それでもなかなかの一撃だ。おかげで頭が体の後ろへと吹っ飛んだ。



 ……が、そんな事はどうでもいい。



(触れることができた……それだけで充分プラスだ)









 ――――









(よし……なんとか弾けた……)


 ずっと、ずっと考えていた。どうやったら田中伸太の一撃を回避できるのだろうと。そうやって生まれた苦肉の策。それは、向かってくる田中伸太をそのまま引力で押し返す陳腐なものだった。


(陳腐だったけど……初見って言うこともあって、何とか反撃の一手を打てたわね……)


 陳腐だが、初見。初見ほど強力な武器もない。おそらくは、まだ私のスキルを見破っていない彼からすれば、強力な対策になっていただろう。


(だけど、もう次はないでしょうね)


 が、初見殺しと言うのは、初見だからこそ効果を発揮するのだ。こんなもの対策するのは容易。だからこそ次はない。だからこそなんとかなのだ。


 もはや絡め手的な戦法は通用しない。遠距離戦は目にも止まらぬスピードで接近され、殴られたい放題やりたい放題だ。


(つまり、私には遠距離戦も近距離戦も、はたまたスキルを利用した絡め手も許されない状況……)


 なら、やる事は1つに決まっている。



(スキルの出力で……一気に押し潰す!!)



 田中伸太の予想以上の力に対抗するには、もはやこれしかなかった。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] スキル解説推察推考しつつ戦うのと、潜って戦わないのも有り [気になる点] 良い所で追いついてしまった、どうなるのか気になりまくり。 [一言] 袖女はブラック以下でお願いしますw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ