日常生活 その3
ごめんなさい! 忙しいので分けて投稿します!
黒のクイーンを相手にする。それに私に一切の勝ち目はなく、私が生き残る目としてあるのは、彼の助けを待つことのみ。
しかし、あまり露骨に彼のもとに逃げてしまうと、彼と一緒に私もまとめて共倒れになってしまう可能性がある。なら、私から行くのは得策ではない。
(なら……呼べばいい!)
瞬間、私は右拳にオーラを溜め、光り輝かせる。オーラナックルのさらに上の技、フラッシュナックルの発射準備だ。
「…………」
私のフラッシュナックルに対し、黒のクイーンは何も口にしない。だが、表情筋が一瞬ピクリと反応したところを見ると、黒のクイーン戦では初出しになるため、少なくとも興味はあるようだ。
(黒のクイーンは用心深い性格……初出しのこの技に、少なくとも警戒位はしてくれるはず……と思っていたんですけどね……)
警戒どころか、少し興味を示すだけ。さらに言うなら、私のフラッシュナックルにはオーラを拳に溜めるための少しのクールタイムが必要になる。少なくともオーラナックルよりも時間がかかるのだが、そのタイミングで攻撃するどころか、突っ立ってこちらを眺めているだけ。
どうやら黒のクイーンは私のことを相当下に見ていたらしい。
(まぁいいです……少しでも反応してくれているのなら!)
少なくとも興味を引き、視線はかなり私に向いているはずだ。今の黒のクイーンの脳内は、フラッシュナックルをいかに回避、もしくは受け止めるか、それしかないはずだ。
(これでいい……)
黒のクイーンの脳内を、1つのことに集中させることができれば、それでいい!
ついに発射可能になったフラッシュナックル。私はそれを……
(いけっ!)
地面に打ち込んだ。
打ち込んですぐ、フラッシュナックルの衝撃により、バラバラに砕け散りつつ上に浮き上がる床。そして、ここから襲ってくるであろう地面の揺れ。
そしてこの衝撃は床だけにとどまらない。オーラナックルとは違い、破壊力に加えて貫通力もプラスされたフラッシュナックルは、このフロアを越え関所を越え、外まで伝わるはず。
(そんで、彼にも――――)
伝わる。はず。
だった。
私が待ち望んでいた衝撃は、やってくることはなく――――