表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
654/786

魔法陣

 私はオフィスの人間を全員殺した後、通気口の穴からすぐさま顔を出し、中を覗いた。通気口の穴からすぐさま顔を出し、中身をチェックした。


「……よし! 確かに全員死んでる……」


 全員が赤い水たまりを作り、床に横たわっていたり、机に突っ伏したりして、確かに死んでいることが確認できた。


(これでもしまだ生きていて、通報されたりでもしたら、全部がおじゃんになりますからね……)


 だが、まだ完全に安心はできない。オフィス内の人間は殺したとは言え、まだオフィス外の人間が残っている。今でこそオフィスから廊下に繋がるドアは開かれていないが、次の瞬間、廊下につながるドアが開かれ、生きている人間が入ってくるかもしれない。そうなれば一発アウトだ。


 そんなわけで安心しつつも、ここから音を出さず、オフィスから例のブツを入手しなければならない。


(例のブツ……入国許可証を入手すれば……)


 入国許可証。それはシート型のただの紙。ただの紙ではあるものの、神奈川派閥内を出たり入ったりするために必要な特別な紙だ。


 例えて言うと、電車に乗るためのチケットに近いだろう。


 彼の場合は空を飛び、誰にもバレず上から通っていたため、存在自体を知らなかったようだが……とにもかくにも、これを2人分入手することさえしてしまえば、この作戦が失敗したり、今後また神奈川派閥に入国する際など、何かと都合がよくなる。今回の作戦にはなんら影響はないが、持っておいて損はない以上、取らないと言う選択肢は無いだろう。


 私はオフィスのテーブルから入国許可証を2枚抜き取り、ズボンのポケットにしまい込んだ。


「……よし! この調子で行きますか!」









 ――――









「……ふう」


 そこから数分後、天井裏やら部屋の隅やら、そこかしこに忍者のように張り付きまわり、関所内にいる人間の全てを始末することに成功した。


 もちろん、関所にどのくらいの人数の人間が配置されているかはわかっていないので、外回りに行っている人間もいるかもしれないが……


(どちらにせよ、もう私と彼を見れる存在はいない……!)


 後は彼に連絡を入れるのみ。



 そして、スマホの電話を繋ぐ音が耳に伝わると同時に……



 目の前に広がる魔法陣。



 それは、私の脳に危険信号を送るだけでなく、その後の未来や誰がやったのか、それらを本能的に私に思い起こさせた。



 ()()()が、来る――――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ