処理
お久しぶりです〜
田中伸太が浅間ひよりと少し話した後、その場を後にして数分後、田中伸太と浅間ひよりがいたコンビニの駐車場に、空から3人組の女性が飛来してきた。
1人は水色の長髪がよく目立つ綺麗めな女性。もう1人は黄緑色の髪をショートボブにした切れ目の女。最後にショートカットよりも、もっとショートな短い髪が特徴的な女だ。
その3人は全く同じ隊服をしており、風格と佇まいから、ただ者ではない人物だということが見て取れた。
黄緑色の髪の毛を持つ女が言葉を発する。
「佐藤! 黒ジャケットの位置情報は?」
水色の長髪の女の名は佐藤と言うらしい。そしてその佐藤は、片手でスマホをいじりながら、キビキビとした動きとともに返答した。
「ここら辺で間違いないよ……けど……」
「見えないねぇ……」
佐藤の言葉を乗っ取り、声を発したのは、髪の毛をむちゃくちゃ短く切った女だ。開いた右手をデコに押し当て辺りを見渡す。
「リアルタイムで動く位置情報といっても、多少のブレがあるみたいね……」
黄緑色の髪を持つ女は、数ほど考え込む仕草をした後、おとなしく待っていた2人に指示を出した。
「佐藤は変わらず、常に位置情報の確認をお願い。彩菜は私と黒ジャケットの捜索を! 見つけても1人で戦わないで。3人集まってから戦いましょう!」
「はい!」
「りょぇー」
彩菜と呼ばれた人物と、黄緑色の髪の女は二手に分かれ、佐藤はコンビニの駐車場に待機した。
「ふーっ……よし! 私も2人ほどじゃないけど、コンビニ周りの確認を――――」
と、その時だった。
ドサリ、と言う音とともに、血まみれで、四肢が欠損した2人が地面に落下した。
――――
数秒前……
俺と袖女はコンビニの近くに隠れ、3人組の様子を伺っていた。
俺たちを追っているのかこいつらだということは、隊服ですぐにわかった。
(変装をしてこないのはラッキーだったな……)
そう考えていると、横から袖女が肩をチョンチョンとつつき、俺の耳に口を近づけ、ボソボソ声で話しかけてきた。
「3人集まってますし、今のうちにまとめてやっちゃいますか?」
袖女の提案は、3人がコンビニの駐車場に集まっているうちに、スパッと一気に殺ってしまおうといったもの。確かにそれもありだが、俺には別の案があった。
「いや、殺さない。少しすればあの3人は別れるはずだ。そこを狙う」
理由は簡単。なぜここまで俺の位置を探ることができたのか、それを探るためだ。
探知系スキルで居場所がわかるのならそこまでだが、俺たちが神奈川本部を離れてからこんなに早く追尾されるのはいくらなんでも異常だ。なんらかの干渉があったと考えるのが自然だ。
そのため、尋問する用の1人を残す。殺害する2人は袖女のフラッシュナックルと俺の反射パンチでワンパンする。残った1人に絶望感を与えるため、四肢ももいでしまおう。
袖女にそれを伝えると、袖女とともに無駄にブラックもコクリと頷き、ほぼ同時期に3人組が別れ、空を飛んだため、すぐさまフラッシュナックルと反射パンチで叩き落とした。空で殺したので、周りの民間人にもばれてはなさそうだ。
(……マジ、羽虫と大差ないな……処理だ。処理)