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時間稼ぎ

 めっちゃ忙しいので投稿頻度がとてもローです

 透明ステルス結界フィールドをどう攻略するか。それを考えるため、私は田中イズナの攻撃を次から次へとさばいていた。


(何か条件はないか……右。さっきから一定時間が経つと透明ステルス化を解いている……次は左。すぐにまた透明に戻っちゃうんだけど……左上)


 考えるには、当然だが考えるための時間がいる。そしてそれは対戦相手にとって絶好の攻撃機会であり、逃すことのできないウィークポイントだ。


 なら、考えるためにはどのような技能を持てばいいか。答えは簡単、向かってくる攻撃に対して、回避したり受け止めたりすれば良い。


 体を動かしながら脳で別のことを考える器用さが必要となるのだ。


 1ヵ月ほど前の私では、到底できる代物ではない技能。それを可能としたのは、彼との訓練の賜物だった。


(小石を使った回避訓練……!! あれが私にこの能力を与えてくれた……)


 何週間も続いた小石訓練。人の拳よりも小さいそれを、私は何回も何時間も繰り返し続けた。今や私こそが世界で1番小石を回避した女だと自負しているほどに。


 それに慣れてくると、何かを考えずとも体が自動的に小石の弾道を見て、視界に連動して体が動くようになる。


 そしてついには、小石を回避することに飽きてしまい、小石を回避するのと同時並行で別のことを考えることが可能になったのだ。


 彼が私に与えてくれた思考能力。それは私の戦いにさらなるステージを教えてくれた。


 そして、それを目の当たりにしている田中イズナは、驚きを隠しきれていない様子で、少し離れて透明ステルス結界フィールドを解除するたびに、驚嘆の言葉を漏らしていた。


「まさか……!? そんな……そんなはずは……!?」


(ふふふ……焦ってる焦ってる……)


 そうだそのいきだ。もっと焦れ。お前が焦れば焦るほど、こちらが有利になっていくのだから。


 実のところ、今のこの状況は田中イズナの方が有利な状況である。なぜなら、私は攻撃をさばいているだけであり、根本的な透明ステルス結界フィールド攻略には結びついていないからだ。


 私の不利を形にするかのごとく、観客たちも1部分を覗いて田中イズナを応援しているのを見れば、私の不利を理解してくれることだろう。


 それに、考えながら別の行動を行う私の能力は、まだ完全には至っていない。壁にハンマーを叩きつけていたら、いつか崩れてしまうように、いつまでもこんなことを続けていたら、いつか絶対に綻びが出てしまう。


(だから……ちょっとでも早く攻略方法を思いつきたいんですけど……)


 こういう時に限って、うまいこと頭が冴えてくれない。人間とはあまのじゃくな生き物だと、いやと言うほど実感させられる。


 このままタイムリミットが過ぎるのを待つしかないのかと、そう思われたその時であった。


「こうなったら……! ソード結界フィールド!」


「ん?」


 何も変わらない戦況に、先にしびれを切らしたのは田中イズナの方だった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 投稿1ヶ月もしない内にすぐにエタって更新をやめてしまう作家が多い中で、 エタらずに2年も更新し続けられるだけで大したものだと思います。 リアルの事情で多少ペース落ちるのは仕方のないことなので…
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