残りの2種目
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スーパードッチボールは結局、お互いのチームの内野の人数が1人となるという超接戦……俺から言わせてもらえば、沼バトルの末に、外野の人が内野の残り1人にボールを当てて終わるという何とも言えない結果に終わった。
スーパードッチボールの開発者ではない俺が言えたことではないが、本来このゲームはここまで接戦になるように設定されていないと思う。
スキルが使用できると言うルール上、ボールを投げるタイミングでスキルを使用すれば、コートの広さからして回避するのは難しい。範囲攻撃できるスキルなら尚のこと、使い方によってはどんなスキルであろうと必中必殺の一撃になることは間違いないだろう。
そんな必中必殺の一撃がいくらでも放てるのだ。本来なら、どちらかに対して一方的な展開になっているはず。そうなっていなければおかしいのだ。
(だから、この結果がどれだけクソなものか……)
コートの外にいる審査員らしき人物も、真顔どころかしかめっ面でその手にあるタブレットをスワイプしている。どうやらお偉いさんはこの結果にご立腹のようだ。
そのくせ、勝ったチームの方はひど過ぎる試合内容に反比例して晴れ晴れした笑顔なのがなんとも救えない。だが、運動したことによって汗が滴り落ち、隊服がズレたりするのはすばらしい。それだけでもはや最高と言っていいだろう。
その後も、第2種目、第3種目と今年のみのオリジナル競技が開催されたが、どれもこれもがひどいものだ。だががんばっているかわいい女が見れるだけでプロモーション戦に対する評価は100億満点跳ね上がった。ベネ。
(まぁ、真面目なことを言うとみんな自分のアピールばかりで競技に勝とうとする感じが全く見受けられないな……こいつはダメだなってのが俺の目からでもすぐにわかるし……)
いい素質を持っている兵士もいるにはいるが、その分ハズレも多い。東京派閥は兵士のアベレージが高いのに対し、神奈川派閥は当たり外れが極端な感じがする。
(うーむ……)
目の保養にはなるが、戦う者としての目線からすると、本番はやはり第4種目のタイマンバトルになるだろう。
「やはり……これらの種目の本質を理解してない奴らが多いな」
「だな……へ?」
声の聞こえた方向に頭を向けると、そこにはフードを深く被り、黒い髭を蓄えた人物がそこにいた。
一見、一体誰なのかわからないが、俺なら、いや俺だからこそ、この人物が誰なのか理解できた。
「なっ……黒のキ……ごほん! ……し、師匠、こんな所で何やってんだよ……」
それは俺とともに、1週間以上訓練をしてきた神奈川派閥のトップ、師匠こと黒のキングだった。