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終盤 その5

 まだ見ぬ水獣、『大海神ポセイドン』。確かにそんな切り札をまだ残していたことも驚愕だが、何よりも、それに私の光弾を防ぎ切れるほどの防御力を有していることに驚いていた。


 前にも言った通り、海星さんの『水形ミズノカタチ』は、水で物体を作るという性質上、本物と比べてどうしても耐久力に劣ってしまう。


 そんな防御力に劣るスキルが、私のオーラ総量のほとんどを使って放った光弾をいともたやすく守られてしまったのだ。驚かないわけがない。


 もはや使えるオーラは体内にあとわずかしか残っていない。オーラの総量的に、あの『大海神ポセイドン』を突破するための時間もそこまでかけてはいられない。消耗戦になればなるほど、水の物体を維持するためのコストが必要ない海星さんの方が有利になるからだ。


(もう……時間がない!!)


 ガクガクと震える足を無理矢理立たせて、心の中で己を鼓舞する。もうそうしないとこれ以上戦える自信がないからだ。


 その後、どうやってあのデカブツを攻略しようかと頭を巡らせ始める。こういう時のために少ないオーラで最大限の動きをする訓練をしてきたが、肝心の相手がそんな小手先の動きなど軽く粉砕できるほど巨大すぎるのだ。


 つまり、単純に一撃で鎮めなければいけない。


(一撃で……思いっきり……)


 一撃で沈める。そう考えれば考えるほど、それに呼応するように拳を握る力が強くなっていく。


「……全力で!!」


 私はゆっくりと空気中に漂うそれに手を伸ばした。









 ――――









(まさかこれを使うことになるとは……)


 私、海星大河は『大海神ポセイドン』を使うことになった今現在の現状に歯痒さを感じていた。


 浅間はチェス隊の中でも最下位に位置する雑魚中の雑魚だ。そんな相手に私の切り札を使う必要性は無い。そう感じていたのだが……


(浅間のくせに……)


 こんなにも観客がいるなかで、私に『大海神ポセイドン』をこんなやつに使わなければいけないなんて、生き恥を晒しているのと同義だ。


(とっとと終わらせて、彼との訓練をしなきゃ)


 そう思いつつ『大海神ポセイドン』の腕を動かし、無造作に浅間にぶつけようとして……


「……あ?」


 私が最後に見た光景は、私の目と鼻の先に現れた光弾だった。

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