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終盤 その4

 私の拳に宿った輝きは、1つのエネルギーの塊となって、私の突き出した腕を発射台にし撃ち出された。


 まるで光線銃の弾のように撃ち出されたその一撃は、オーラナックルの元々の長所であった透明性が消えてなくなった代わりに、あの白のルークをも気絶させるほどの攻撃力を有している。


 視認性が上がった分、それを差し引いたとしてもお釣りが出るぐらいの圧倒的な破壊力があるこの一撃。当たれば勝負が決まったも同然。



 1つ誤算があるとすれば――――



「むんっ!!」



 海星さんが完全に復活してしまったことだ。


「水質変形『壁』!!」


 海星さんがそう叫ぶと、海星さんの手前に水で作られた巨大な壁が出現した。その大きさは、一瞬で作られたにしては尋常ではない大きさで、訓練所を私サイドと海星さんサイドで仕切ってしまった。


 おそらく、私のオーラのもう一つの性質である攻撃範囲の広さを警戒してのこの大きさなのだろう。


 が、海星さんは間違いなくこの攻撃を見たことがない。


 確かにこの光の弾も、ただのオーラの塊で、あの水の壁を撃ち抜けないまま、何の変化もなく終わってしまうかもしれない。


 だが、私にはあの光景が脳裏に焼き付いて離れなかった。


 沈みゆく意識の中で見たあの光景……あれほどの破壊力ならば……


(あんな薄い水の壁なんか……ぶっ壊せるはず!!)


 そしてその予想通り、光弾は速度を維持したまま、水の壁に激突。ダムが決壊するかのような轟音を立てて、形を維持したまま水の壁を突き破った。


「よし! っ……て、あれ?」


 水の壁を突き破りながらも、形を維持する光弾に思わずガッツポーズをしてしまったその時、体がぐらりと揺れるのを感じた。


(まさか……あの光弾を出した影響?)


 そう思い、自分の中にあるオーラ量を確認してみるとあら不思議、もうほとんど残っていないではありませんか。完全な抜け殻状態である。


「一発でここまで……!!」


 どうやらかなりハイリスクな技だったらしいが、発射しきった今なら問題はない。


(当たってしまえば……!!)


 光弾はその勢いのまま、海星さんに向かって激突し、訓練所に使われている特殊なガラスを粉々にするほどの大爆発を起こした。





 ただ、そんな考えは爆発のように、一気に霧散することになる。





 そう、時間と同時に煙が晴れていく中で、海星さんはしっかりと両足で立っていたのだ。


 しかし、何やら様子がおかしい。海星さんを中心に、水が何かを形作っている。それは煙が晴れれば晴れるほど、その全容が明らかになっていった。


「こ、これは……」


 ぽっちゃりしたお腹に鬼のような形相をした顔。肩からもう片方の肩にかけて、タオルのようなものが繋がっており、頭からツノも生えている。



「水質変形……『大海神ポセイドン』」



 海を支配する神がその姿を現した。

 








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