表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
436/783

中盤 その8

 またしても投稿

 ビキビキビキ。


(ぐうっ……)


 体を無理矢理ひねったことにより、首から腰にかけての背骨に嫌な音が走る。ここがもし自室なら、その痛みに突っ伏して、背中をさすりまくっていたことだろう。


 だが、ここは自室ではなく訓練所。しかもただ訓練所ではなく、試合によって戦場へと変わった訓練所だ。


(いっ……け!!)


 それに、せっかく海星さんが水の剣を空振りし、大きな隙を作ってくれたのだ。ここを逃さない手はない。


 海星さんは今もなお水の剣を両手で握りしめ、離そうとしない。離して両手を自由にし、私の近くから離脱するという手が浮かんでいないのだろう。


 しかし、海星さんは白のポーンだ。その経験に裏打ちされた強さは尋常ではない。その経験を生かして、私の発射した拳など、いともたやすく回避されてしまうことだろう。


 かといって、オーラナックルには発射台となる拳が必要だ。海星さんの位置は私の背中。つまり後ろにいる。


 ここから後ろにいる海星さんに拳を向けたところで、拳を向けるに至るまでの予備動作で、逃げるのに十分な時間を海星さんに与えてしまうことになる。


 私にとって、このチャンスを棒に振ってしまうことは勝利を手放してしまうことと同義だ。ここは絶対にものにしなければいけない。


 今の私にある攻撃の中で、予備動作を必要とせず、海星さんにできるだけ大きなダメージを与える方法は……



(これしかない!!)



 私は目を閉じ、体の中心部、胸にオーラを溜め始める。



 そう、今私に残された攻撃はたった1つしか存在していなかった。



「オーラビーム!」



 予備動作なしで放てる必殺の一撃が、海星さんの体を容易に吹き飛ばした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ