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注目度高きごとし

 1話しか投稿してない分、色々と話が練れて楽しい。今まで話を練ってなかったわけじゃないですけどね!


 てなわけでどうぞ〜

(……いや待て、ヤバい女だと認定するのはまだ早い)


 答えは見え透いている気がするが、もしかしたらさっきのえげつない言葉は何か別の意味があって言っているのかもしれない。俺は一筋の希望を抱きつつ、いまだに屈託のない笑顔を浮かべている海星大河に向かって問いかけた。


「……あの〜……なんで俺何でしょうか?」


 その問いかけに、海星大河はただでさえ釣り上がっていた口角をさらに歪め、1周回って気持ち悪い位の笑みを浮かべる。


「そんなの決まってるじゃない。浅間ちゃん相手だとこっちの訓練にならないじゃん? だから今話題のあなたと訓練したいってだけ」


(あ、ヤバい女だったわ)


 しかし、それ以上にこの女でよかったと安堵の感情を覚える。


 確かにヤバい女なのは間違いないが、ヤバい女だったことの衝撃以上に、俺が驚いたのは強くなろうとするその執着心だ。


 確かに俺の知名度はうなぎのぼりに上昇している。しかし、今の今まで集団で俺の周りに人が密集して質問攻めに合うことはあれど、試合の誘い、しかも1人で持ちかけてくるのは海星大河が初めてだ。


(こういうやつを求めてたんだよ……!)


 もともと袖女の対戦相手には、変に順位が上の兵士より、順位が近くとも、強くなろうとするハングリー精神が強い兵士の方がいいと考えていた。


 理由としては、そちらの方が、練習試合をした時に本気で来ると思ったからだ。


 持論だが、ルークやナイトのように、明らかに格上の人間は、格下と練習試合をする時、無意識に手を抜いて戦ってしまうと考えている。これは治る治らないの話ではない。人間として、当然に持っている余裕が膨張し、油断になってしまうのだ。


 故に、袖女相手でも余裕が油断にならない程度の実力で、同期に黒のクイーンとルークがいる白のポーンが存在している海星大河は、今の袖女の対戦相手にはうってつけなのだ。


(海星大河にとって、黒のクイーンやルークは目の上のたんこぶだろうからな……)


 強力すぎる同期に追いつきたい。その思いはハングリー精神となり、それが戦いに影響する。


 それを次肌で感じることができれば、袖女は更なる次のステップへ踏み込むことができるだろう。


「くくく……」


「……? 何かおかしいの?」


「ん? いやいや……目の前に勝負を挑みに来た後輩がいるのに、よくもまぁそんなことが言えるなと思って」


「私はあなたが目当てなのよ。男としては光栄じゃない?」


「間違いない……だけど、俺は浅間ひよりとあんたの勝負が目当て来てる。だから……」


 そう言いながら、海星大河が喋りだしてから何も話さず、目のハイライトが消えている袖女の肩に手をポンと置いた。


「2人が戦って勝った方が俺と戦えるってことでどうだ?」


 さぁ、袖女にとって都合の良い踏み台になってもらおう。



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