プロモーション戦の内容
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「じゃ、今日はここまでにするか……」
「ああ……あ、いや、ちょっと待ってくれ」
俺の戦闘スタイルに関しての課題が見つかった後、水分補給をして解散の流れになったのだが、黒のキングが訓練所から出ようとした瞬間、とあることについて思い出し、黒のキングを引き止めた。
「なんだ? これ以外に指摘したい部分などないが……」
「そうじゃなくて……ほら! プロモーション戦のことだよ!」
そう、俺が聞きたいのは俺のことについてではない。もっと別のプロモーション戦についての話だ。
「あ? プロモーション戦? お前がそれを聞いてどうする?」
それに対して、黒のキングがとった行動は質問返しだった。確かに、チェス隊でもない目の前の男が何ら関係ないプロモーション戦について自分に聞いているのだ。この反応は当然と言えよう。
しかし、俺にはどうしてもプロモーション戦を黒のキングから聞き出さなければならない理由があった。
「実は少し前、黒のポーンの浅間って奴から訓練の指導をして欲しいって頼まれてよ……それを承諾したんだが、プロモーション戦の内容を聞こうとしても、『プロモーション戦の内容は始まるまでお教えできません! チェス隊だけの企業秘密なんですー!』とか言われて教えてもらえなくてさ」
「ああ……なるほどな」
実は、袖女との訓練がスタートしてからすぐ、プロモーション戦の内容について聞こうとしたのだが、先にも言ったのと全く同じセリフを吐かれ、今日の今日まで内容について知ることができなかったのだ。
俺にとって、プロモーション戦というのはチェス隊の情報を獲得する上でなくてはならないものであり、そこで袖女が勝利することができれば、俺に対する袖女の信頼が爆上げすること間違いなしの超ビッグイベントなのだ。
そのため、なんとしてもプロモーション戦の内容を袖女以外から入手したかったのだが、近くの民間人に聞いてみても俺が神奈川派閥にきたばかりだと分かった途端、「予備知識なしの方が面白いから教えない!」の一点張りで教えてもらえなかったし、他のチェス隊メンバーに聞いたところで教えてもらえないのは必定。
なので、唯一毎日確実に会えるキングに聞くしか方法がなかったのだ。
「でもよ……僕だってチェス隊だぜ? そいつが教えられないって言ったんだったら、俺だって目上の人間として守るべきラインってものがだな……」
「俺とこっそりお忍びで訓練してる時点でラインなんてないだろ」
「うぐっ!?」
「教えてくれなかったら、黒のクイーンあたりにこのことをチクるぞ。いや、せっかくならチェス隊全員の方がいいか?」
「わ、わかったわかった! 教える! ……だから誰にも言うなよ」
「ああ、もちろんだ」
痛いところを突かれ、黒のキングは観念したようで、誰にも言わないことを条件に、プロモーション戦について話してくれることになった。
「まずな……プロモーション戦は4つの種目に分かれていて、うち3つは毎年違うものになってる」
「……毎年違う? プロモーション戦がそんな大衆イベントみたいな内容でいいのか?」
「まぁ……その3つは本当に大衆向けみたいなものだからな。それだけなら民間人だって知ってるはずだぞ?」
「え……やっぱりそうなのか……じゃあ最後の種目の内容は?」
問いかけた民間人に対し、少しばかりむかつきを覚えたが、それをぐっとこらえ、肝心の最後の種目の内容について触れた。
それに対し、黒のキングは口角を釣り上げ、もったいぶることなくその内容を口にした。
「そりゃもちろん……タイマンだよ。1対1のな」