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VS黒のキング その3

 次は深夜ですよー!

 感情を表情筋に乗せ、表に表してはいないが、僕の心は確実に田中伸太によって動かされていた。


 その中でも、とある2つの感情が、僕の中で目まぐるしく変化していた。


 それは歓喜と悲しみである。


 僕を見ても諦めず、ただ突撃するわけでもない。僕から溢れ出る()()に逃げ腰になりつつも、逃げることは決してしない。


 極めつけに今回の対処方法だ。


 正直、田中伸太の目と鼻の先ギリギリまで拳を接近させた時、僕は勝利を確信した。それと同時に落胆したのだ。こんなものなのかと、はっちゃんに気に入られておきながら、訓練されておきながらこの程度なのかと失望の感情に駆られた。


 ただ、田中伸太は僕の期待に見事に答え、紙一重ではあったが僕の拳を回避することに成功した。


 しかも、着地狩りされることを懸念し、そこら辺に舞散る砂ぼこりを何らかの方法で1点に集め、今まさに僕に向かって発射している。


(すばらしい……!)


 空中から落下して地面に着地するまでの間に対処方法を考えることができる頭の速さ、そして短い時間なのに、お粗末な作戦ではなく、しっかりと作戦として成立するものを考える正確無慈悲な頭の正確さ。それを一寸の狂いもなく実行に移すことができる体。


 どれもこれもが高校生が得られるようなものではない。もはや僕の目からは、田中伸太はただの兵士ではなく、数多の修羅場をくぐりぬけた歴戦の()()にしか映らなかった。


「ふっ……!」


 面白い。そう思った瞬間、僕ははっちゃんがなぜこの男を気に入ったのか完全に理解できた。





(こいつなら……!!)





『後のことも任せられる』





 しかし、今の田中伸太ではその願いに手が届くことは無い。


 だからこそ、我々が田中伸太に戦い方を教え、強くなってもらわねばならない。



(そしていつか、僕らを置いてその先に行くことを……)



 僕はぐっとその拳を握り、スキルを発動させ……



(楽しみにしているぞ!!)



 ()()()()()()()()田中伸太の腹に、拳をぶち込んだ。


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