VS黒のキング その2
今日は後2回投稿しますー
鼻に触れる距離まで迫ったその拳は、俺が持つ速度では到底回避できず、そのまま地面にクレーターができるほどの威力を持つ拳が顔面に突き刺さり、死にはせずとも無視できないほどの特大ダメージを負った。
(……と思ったか!?)
俺は拳が着弾する瞬間、エリアマインドにより地面の土を薄く切り取って土の下敷きを完成させると、すぐさま自分の顔面と迫る拳の間に土の下敷きを差し込んだ。
「むっ!」
だが、いくら訓練所用に作られた硬い土とはいえ、土は土だ。黒のキングの拳をそれでカードできるはずもなく、まるで豆腐のように土の下敷きは破壊される。
しかし、豆腐を潰すのにも少しの時間を使ってしまう。黒のキングが土の下敷きを豆腐のように破壊するのにかかった時間はおそらく1秒、いやそれ以下だが、その1秒以下の時間は、闘力操作で闘力を全身に巡らせるのには十分な時間だった。
(飛べ!)
ほぼ全ての闘力を全身に巡らせた体。その中でも下半身を司る部位である足に思いっきり力を入れ、空中へ飛び跳ねた。
「……っぶねぇ! マジで殺す気だっただろ!?」
「当然だ。じゃないと強くなれん」
結果、俺は空中へ飛び出し、回避には成功したが、今俺が居る場所は遥か上空。
俺の主戦場は地上戦であるため、このまま自然落下し、地上に戻りたいところだが、地上に着地した時の落下の足への負担の関係で、どうしても一瞬動けない時間が生まれてしまう。この時間は戦闘中に置いてあまりにも大きすぎるボーナスタイムだ。なんとかこの一瞬動けない時間をどうにかしなければならない。
(なら……!)
上空から黒のキングに向かって手のひらを見せ、反射の力をその先に溜める。さらにエリアマインドで自分から半径1メートルちょっとにある巻き上がった砂ぼこりを手のひらに集める。
「ほう……!!」
するとどうだろう。俺の手のひらに野球ボールより少し小さい位の砂団子が完成した。
そして、長らく使ってこなかった必殺技を発動させる。
「空気反射!!」
相手に当てるには近づかなければいけないことと、近づいてこの技を使う位なら普通に反射を込めて殴った方が強いことから、長らく使わなかったその名の通り空気な技、空気反射が日の目を見た瞬間である。
空気反射によって反射された空気とともに、砂団子が発射される。その勢いは凄まじく、プロ野球選手の投げた球よりもはるかに速いその団子は黒のキングに向かって一直線に進んでいく。
「考えたな! だが温いぞ!!」
俺の撮った1連の行動に笑みを浮かべつつ、黒のキングは拳を構え、向かってくる砂団子を破壊しようとしてくる。
そう、土の下敷きを作った時にも行ったように、土は土、いくら速い速度で発射しようが、いくらたくさんの土を使おうが、黒のキングが拳を使えば一発で破壊され、落下して着地するまでの時間を稼げず不発に終わるだろう。
しかし、それは……
「砂団子がそのままだった場合の話だけどなぁ!!」
砂団子は……弾けた
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