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炸裂音のその先

 次は深夜1時過ぎに〜

(とった!)


 砂けむりの奥で、確かに響いた炸裂音。拳に感じる確かな手応え。俺はそれらから、この策は成功し、おじいさんに初めて攻撃を当てることができた。


 ……そう思ったんだ。


 期待を込めて、拳の風圧で切り開かれたその先を見た時に、俺の期待は木っ端微塵に打ち砕かれた。


「……惜しい。本っ当に惜しいのう」


 そこにいたのは、正真正銘、あのおじいさん。残像でも偽物でもない本物のおじいさんがそこにいた。


 その証拠に、おじいさんの手のひらには、俺の拳が何か大事なものを包むかのように、優しく収められていた。


 まるで私は余裕ですと言わんばかりに優しげな笑みを浮かべながら、その場に堂々と立ち、ポツポツと言葉を溢す。


「起点も効く。それを実行できる覚悟もパワーもあるときた……なのになくてはならない大事なものがない」


 そう言いながら、おじいさんは俺の拳を包んでいないもう片方の手の人差し指をピッと天に上げる。



「グッ……!?」



 おじいさんが人差し指を天に上げた瞬間、腹の上、右胸にさっきまでとは違う大きな衝撃が走る。



「1つ。攻撃パターンが単調すぎること……」



 続いておじいさんは中指もピッと上げ、手でピースを作る。それと同時に、続いて俺の右胸に鋭い衝撃が走る。



「2つ。速度に頼りすぎて技術が追いついていないこと……」



 最後に薬指を上げ、俺に3本の指を見せて……



「3つ……目上の人には、ちゃんと敬語を使いな」



 それを最後に、俺の意識が闇に落ちた。




 


 


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