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「ごちそうさまでした」


「ごちそうさまでしたっ……と」


 2人とも同じタイミングで食べ終わる。このまますぐに着替えて訓練所へ行きたいところだが、袖女にはまだ後片付けが残っている。


「着替えといてください。私はすぐに食器を洗うので」


「おー」


 正直、食器洗いなんて水に漬けて後に戻しておけばいいのにと思ったが、袖女的にはそうもいかないらしい。面倒臭いことは最初にやっておきたい主義のようだ。


 俺はそれに関して何も言わない。大阪派閥の時とは違い、無条件であんなにうまいご飯をご馳走してもらっているのだ。それにケチをつける方がおかしい。


「んー」


 袖女からは見えない死角に移動し、着替えながら今日の訓練について考える。


 これからの訓練は全身を使ってオーラを回転させるのが目標になっていくだろう。その中で肝心なのは過程だ。その過程が単純だと、一過性のブームのようにいつか飽きてしまう。辛いだけの訓練など訓練ではない。ただの苦行だ。


 訓練量だって減るし効率も落ちる。なので、少しは変化を加えていきたいところだ。


(オーラを全身に巡らせつつ、すべてのオーラを使いきれる訓練……)


 最初に思いついたのは俺と組み手をする方法だが、考えた瞬間にその選択肢は塵となって消えた。俺と袖女では実力差がありすぎて組み手にならない。それで自信をなくされても困る。


 と、なると……


「……ああするか」


 訓練の内容が決まった。









 ――――









 袖女の食器洗いが終わり、場所は訓練所に移る。


「さて、今日も昨日と同じく、全身にオーラを巡らせる訓練だ」


 訓練の内容を変えることは決定したが、全身にオーラを巡らせる訓練としては、昨日と変わらずに動かずオーラの動きに集中するのが1番だ。今朝思いついた訓練の方法は、これが終わった後にすることになる。


(本番は袖女がオーラを全身に巡らせることに成功したらだな……)


 俺が今後の訓練について考えていると、訓練中の袖女がジト目になって話しかけてくる。


「……よくこの状況でそんなに冷静でいられますね」


「ん?」


 周りを見てみると、俺たちが入っている訓練所の周りの観客スペースには、人がギッチリと詰め込まれていた。


「ああ……ま、覚悟していたことだから」


 今までは、神奈川ランキングに登録してまもなく、実績もなかったこともあり、訓練所に顔を出すのには抵抗があったが、実績を手に入れた今なら、堂々と顔を出すことができるし、訓練所に来るだけでここまでの観客を呼び寄せることができるという箔がつく。


(俺にとっては良いことしか起きない)


 俺はそう考えながら、袖女のオーラが切れるのを待った。

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