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スキル情報ゲット

 今まで、袖女に課題として渡していた回転技術は、あくまで体の1部分で行っているものだった。


 手のひら、胸の中心……ある程度簡単にイメージでき、コントロールもしやすそうな部分ばかりで、繊細なコントロールをマスターできたわけではない。


 しかし、そのエネルギーを真の意味で変幻自在に動かすことができればどうなるだろうか?


 答えは簡単、体の至る所から予備動作なしで回転エネルギーが撃ち出される人間兵器になれる。そして、袖女にはそれができる可能性がある。


 だからこそ、新たな課題として、全身でエネルギーを回転させることを命令したのだが……


「んんん……あっ!」


 集中していた袖女の体から、突如として衝撃波が発生する。


「ああ……また」


「……失敗だな」


 先ほどから、袖女は全身にエネルギーを回しては失敗して、外にエネルギーを放出してしまっていた。


 やはり今までとは違い、1部分ではなく、全身にくまなく意識を集中させなくてはいけないため、少しでも気が緩むとそこからエネルギーが漏れ出てしまうのだろう。


 パンパンに空気が入った風船に針を刺してしまったら破れてしまうイメージと言ったらわかりやすいだろうか。とにかくそんな感じだ。


「……何かコツはないんですか?」


 袖女が懇願するような目線でこちらに助けを求めてくる。


 が、こちらには手を出せない事情があった。


「わかるかよ。お前のスキル、正確には知らないんだぞ」


 そう、俺は袖女のスキルを知らないのだ。


 今までの戦いと、一緒にいた期間から、ある程度ならスキルの性質は理解してはいるが、それでもある程度だ。


 今回の課題だって、牛丼を食べている最中に、手の中で回転させることに成功したと言っていたから課しただけで、もしできなかったら他のことをさせる予定だった。


 教えてもらえばいいじゃないかと思うかもしれないが、相手は腐っても神奈川派閥の最高戦力、チェス隊だ。れっきとした犯罪者である俺が教えて欲しいと懇願したところで、断られるのは目に見えている。


(断られると分かり切っている質問をするほど俺は馬鹿じゃない……)


 ……と、そう思った瞬間。


「ああ、そんなことですか。いいですよ。教えてあげても」


「……は?」


 まさかの発言。スキルをバラした時の危険性を理解できないほど、袖女は馬鹿ではない。それを加味した上で俺にスキルを教えると言っているのだ。


(何かの作戦か?)


 ……いや、ここはスキルを教えてもらえるほどの信頼を獲得したと考えるべきか。


「私のスキルは『オーラ』です。体の中のオーラを撃ち出したりできます。体の中のオーラがなくなると気を失っちゃいます」


「……なるほど」


 俺は困惑しながらも、袖女のスキル情報をゲットした。


 

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