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3人がかり

 私が時間を稼ぎ、何とかやってきてくれた里美と紫音。


 グリードウーマンとシュルカーの発言に、少しの不気味さを感じつつも、チェス隊3人、しかも連携力バッチリなこの3人なら、多少の力の差も何とかなると思っていた。


「ぐわっ!!」


「アハハ!! いいわぁ! 今日はかき揚げね!!」


 他の奴らは全員始末した。だが、肝心のグリードウーマンとシュルカーには、いまだに傷ひとつつけられなかった。


「あの子たちも意外と優秀だったわねぇ、私のためにこんなに下味をつけてくれるなんて!」


「結構……体力、使っちゃいましたね……」


「……体力不足」


 グリードウーマンの言う通り、他の奴らを片付けるにあたって、かなりの体力を使ってしまった。


 シュルカーとグリードウーマンがあまりに規格外すぎて、霞んで見えてしまっていたが、他の犯罪者たちも十分規格外なのだ。


 大きな爆発を起こすスキルに、好きな場所に手のひらサイズのブラックホールを発生させるスキル所有者。さらには体術が優れていたりと、十分に化け物じみている。


 3人がかりとは言え、そんな化け物を大量に相手にすれば、体力を大幅に消耗するのは必然だった。


 そんな状態でのグリードウーマンとの戦闘。向こうは私の竜巻を吸い、パワーアップした状態。こちらは先の戦闘でガス欠寸前状態。どちらの方が有利かなど、考察する必要もない。もしこの戦いで賭け事が行われるなら、私たちの方のオッズはとんでもない倍率になっていることだろう。


(このままじゃ……いや、ダメだダメだ)


 いつまでも愚痴を吐いているわけにもいかない。チェス隊という神奈川派閥を守る者として、ここで引き下がるわけにはいかないのだ。


 グリードウーマンのスキルは物理攻撃以外の攻撃を吸い取るスキル。物理特化型のインファイターには特に何の影響も及ぼさないため、近距離が得意な兵士をぶつけるのが効果的だ。


(なら……)


「2人とも! オペレーションKで行くよ!」


「了解!」


「……りょーかーい」


 疲れているにもかかわらず、ハキハキと返事をする里美と、気怠げに返事をする紫音。その声を聞いた瞬間、私は行動を開始した。


「紫音!」


「あーい」


 私と紫音はグリードウーマンを挟み込むように移動し、その位置から、風の竜巻と紫色の電撃を放つ。


「あら? そっちからわざわざご馳走を――――」


 グリードウーマンは手から物理攻撃以外の攻撃を吸い取る。そこが最大の長所だということはわかっている。


 ただ、そこは逆に弱点でもあるのだ。


「ん?」


 グリードウーマンに向かって放たれた攻撃は急激に軌道を変え、見当違いな場所へ飛んで行く。


(攻撃ばっかり見て、気づいてなかったでしょ?)


 そして、グリードウーマンの目の前には……


「里美!」


 特殊型インファイター、青葉里美がいる。



 

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