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疑問

 ドライヤー

 レベルダウンの宿泊部屋に遂にたどり着いた。

 とても厳重なドアだと思っていたが、カムフラージュのためなのか、他と変わらない自動ドアの作りになっていた。


 自動ドアの前に立つとプシューと音を立てドアが開く。


(ロックもないのか……?)


 こんな夜の時間位かけてもいいと思うのだが、夜にトイレに行く時の配慮だろうか。


 中は真っ暗だが、確かにそこには大量の2段ベッドがありその上にレベルダウンと思われる人たちが倒れたように眠っていた。


『よし……ロックがかかっていなかったのは好都合じゃったな……やれ、伸太』


 ついにこの時が来た。この瞬間、俺は本当に犯罪者になるのだ。少し前の俺ならば戸惑い、躊躇しまるで物語の主人公のように別の方法考えようとか思っただろう。


 ……だが、俺は誓ったのだ。


 復讐する。復讐してやる。

 世の中の大人はみんながみんな、やり返してはいけない。自分がやられたからといってやっていいわけではないと、まるで聖人のように言ってくる。


 ……みんな自分の事しか考えていないと言うのに。


 そんなのやられた側は損ではないか。


 だから俺はやり返す。逆にこっちが嘲笑ってやる。


 考え得る最も最高で最悪な方法でやり返すのだ。



 俺は眠っているレベルダウンの1人の頭を掴む。



 だからそのために。




「俺の未来(ふくしゅう)のための犠牲になってくれ」


 触れていた頭が


 まるで赤い花火のように


 はじけ飛んだ。









 ――――









 触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる触れる


 弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける弾ける


「…………」


 淡々と歩いていく、レベルダウンの頭に次々と触れていく。指先だけでも触れられれば爆散する。

 まるで作業の様に、それがさも当たり前かの様に、次々と人を殺していく。


 そして


 最後の1人の頭がはじけ飛んだ。


 他人の血で真っ赤になった両手を見ながら俺はハカセに報告する。


「……終わったぞ。ハカセ」


『ああ……見ておったが……大丈夫か?』


 俺の精神面を心配してくれているのだろうか?

今はそんな事はどうでもいい。


「なんだぁ? もっと無残に殺さないとハカセのお眼鏡にはかなわなかったか?」


『……ククッ、もう心配しなくても大丈夫…………か、いや十分ワシの目から見ても痛快じゃったよ……よくやった。作戦は完了じゃ! 今すぐ戻ってこい!』


 作戦は終了した。

 そうやって帰ろうとしたその時。


「……ん?」


 自分の両手に付着した血を見る。


(人間の血ってこんなにドロドロしてたっけな……?)


 まるで軽くゼラチンが混ぜられているような血。

 殺した人間が高血圧だったでは説明がつかないほどの濃い血。

 俺はゆっくりと頭がなくなった死体に近づく。


(まさか……な)


 死体の右腕にそっと触れる。


(…………!!!!)


 それにより、普通ではありえない事態に直面した。


「……ハカセ」


『……? なんじゃ?』


 ハカセが安心しきった声で聞いてくる。


「……たいんだ」


「え?』


「冷たいんだよ……」


『……何?』


「冷たいんだ‥…さっき殺したのに……死んでから数分も経っていないのに……普通ならまだ暖かい死体が……」









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