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第二話
今、お姫様を正にお姫様抱っこしながら、とある街に着いた勇者。勇者に感謝を述べる、お姫様。
「ありがとうございます、勇者様。ドラゴンに捕らわれていた所を助けて頂いて。なんと感謝したら良いのでしょう……」
「いいえお姫様。私は、勇者として当然の事をしたまでです。気になさることはありませんよ」
勇者はそう言うと、傷ついた身体を癒すため、お姫様を抱っこしたまま街の宿屋に向かう。
勇者が宿屋の扉を開けると、中から従業員が抑揚のある声で話しかけてくる。
「いるぁらっしゃいませ!! お客様!!!!
プラチナ・ロイヤルスイートホテルにようこそ!!!!!!」
少し引き気味になる勇者。
「……すみません、一泊、二名、お願い出来ますか?」
「はい!! 全然大丈夫だったりしますよヴぉ!!!! 一泊、20と50000ギルドンになりますが、平気だったりしますかああぁ!?」
「……え?」
『お金が足りない』