強欲なる勇者の書　～ 魔王城勤務の針鼠 ～

6年前、魔導戦争が終わった。
勇者を旗印に世界に喧嘩を売った人族は、魔族と獣人の連合軍に負けたのだ。

戦争の余波により故郷を追われた白砂漠のイゥルポテー一家はサバイバル生活を送る中で怪しげな宗教の勧誘に遭い、離れ離れにされてしまった。

母親を師に黒魔術を学んだラエル・イゥルポテーは人売りの「競り」に輸送されるも持ち前の胆力で脱走・再捕獲されるが、鼠顔の怪しい少年ハーミット・ヘッジホッグの協力を得て「競り」を破壊する。

針鼠からの紹介で魔導王国の空飛ぶ浮島にやってきたラエル。母国を滅ぼした国の領地で奇妙な空気に揉まれながら過ごすが、「とある事情」が発覚したことをきっかけに「浮島から出る」「両親を探す」ための貯金と情報集めに奔走することに。

周囲の思惑を発端にした妨害や策略に振り回されながらも充実した生活を送るラエル。
しかし浮島を巻き込んだ大騒動をきっかけに、彼女の運命は大きく変わることになる。

嘘と謀り、暴発とごり押し。思惑が交差する賑やかな群像劇。
剣戟と魔術飛び交う世界を舞台に、黒髪の少女が掴む答えとは。

因みに黒魔術士ラエルは魔術が苦手だし、針鼠ハーミットは魔法が一切扱えない元勇者だったりするのだが――凸凹二人の珍道中をよそに、お供の伝書蝙蝠は欠伸をする。

はてさて、黒魔術士ラエルは両親との再会を果たせるのだろうか。

これらは後に本の体を成すだろう覚え書き。
少年少女の後悔と希望の記録である。




１章：私と彼の最悪な馴れ初め
２章：魔王城浮島・就職活動に四苦八苦
３章：魔王城浮島・白魔術士と絵描き
４章：第三大陸・石工の町と蚤の市
５章：第三大陸・麦畑と閉ざされた村
６章：第三大陸・骨守の祈り、際会
？章：・・・制作中！

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※3　1章～5章添削・改稿しました（2022.8.25.）。