登場人物紹介(3章)
お待たせしました。登場人物紹介です。
前回にも出てきたキャラクターは、追加要素だけ記述しますね。
それでは、お楽しみください。
あてんしょん。
※作中で判明していない部分は伏字になっています。ご了承下さい。
※若干、3章までのネタバレを含みます。
<登場人物紹介:3章>
①ラエル・イゥルポテー(諱不明):黒魔術師→黒魔術士。
ラエル。黒髪の少女。恐怖の欠落、「感情欠損」という治癒不可能の奇病であると診断される。浮島の食堂モスリーキッチンにて仕事を始めたものの、自身の魔力操作技術や対人関係に不安を持ち始めていた。元は砂漠でサバイバルしていただけあって身体能力が高く、魔術も理論より身体で覚える傾向がある。教えて貰えれば大抵のことはできるのだが、魔術師なのに魔術が上手く扱えないこともあって、本人の自己評価は低めである。
三章では様々な魔族と関係を深めることになったラエルだが、一度喧嘩をしたストレンとは軽口を叩き合えるほどに仲良くなった。就職先の影響で「術士」になることに。
②ハーミット・■■・ヘッジホッグ:魔導王国四天王「強欲」、鼠の巣の管理者。
ハーミット。鼠顔の獣人もどき。金髪少年。最近24歳になったらしい。13歳の時点から成長が止まっているそうだが、それにしても小柄な事実は否めない。元勇者ゆえに肩身の狭い思いをしているが、傍目にはそれを感じられないほど仕事に没頭している。人知れず廊下に倒れる事もしばしば。
……ラエルの両親が攫われたであろう悪徳宗教を調べたりする内に、監視者と監視対象者との距離をはかりかねるようになってしまった。例えば、名前の呼び方とか。
③スフェノス・■■■・■■■■■■:白魔導士。
スフェーン、又はドクター。白き者の男性。カルツェとストレンの師であり、今期の白魔導士資格審査員の一人である。ストレンがダブルだということを知っていたが、彼女はそれが理由で試験を落とされていた訳ではない。職業が変わったとしても、来期はきっと、彼女が導士の資格を持って目の前に現れるだろうとひそかな期待を寄せている。
④■■■■■■■・■■■■■:烈火隊隊長。
アネモネ。三つ編みさん。烈火隊隊長の騎士。レイピアを主な武器として使用するが、格闘もある程度こなすオールラウンダー。徒手空拳でどれほどの実力かというと、ハーミットが転がされまくるほど。曰く、殺意を持たない針鼠は針をもがれたも同然なのだとか。
⑤シュガー・カルツェ:白魔術士→白魔導士。
カルツェ。魔族の少年……だと、ラエルは思っている。術士だったが、この度晴れて導士に昇格した。ラエルのお友達一号の席を手に入れてホクホクしているカルツェだが、ストレンの方がラエルと仲がいいことを知っているのでちょっとだけ複雑。リリアンの編み方を教えることで逆襲したつもりでいる。
何処で覚えたのか、自分の身長の半分ほどの棍を振り回す肉体派である。戦闘時には身体に負担をかける術式刻印を行使する必要があるようだが……。
⑥ロゼッタ・■■■■■■・■■■■:浮島資料室司書。
ロゼ。魔導王国所属の資料室レファレンス係取締。末来予言の魔法を使うとんでもない魔術士。本章では大活躍だった。ラエルもハーミットも彼女の予言に振り回されている節があるが、そもそも彼女が口を出すのは「選択を間違えたら危うい時」だけである。
⑦ニュイ・ノワール:浮島資料室レファレンス係、伝書蝙蝠。
ノワール。魔導王国資料室に常駐している人語を介す蝙蝠。過去に諜報をしていた経歴があり、情報収集はお手の物。今回はその知能をラエルに貸したが、はて。何か重要なことを忘れられているような……気のせいではない。
⑧アルメリア・■■■■■■■:烈火隊所属、騎士。
エルメ。獣人の女性、爪牙無鱗。烈火隊に所属する騎士。「ぴょーん」口調にキャラづくり疑惑が出ている。ストレンとつるむにあたって、彼女のストレス発散を手伝ったりフォローしていたりしたのだが、悉く察しないラエルには思わず閉口してしまった。
⑨ストリング・レイシー:烈火隊所属、白魔術士→赤魔術士。
ストレン。魔族と人族のダブル。烈火隊に所属する白魔術士だったが、赤魔術士に転職することになった。実は二章の初対面から、ラエルにはことあるごとにちょっかいをかけていたのだが、その殆どが気付かれていなかったと知って歯噛みしている。今は仲良し。激苦のお茶をわざわざ取り寄せて振る舞う程度には、仲良し。
⑩メルデル・■■■■■■:浮島資料室館長。
メルデル。種族不明の女性。長身で丸眼鏡、怪しげな笑みを口元に浮かべているのがニュートラル。言霊治療という魔術に頼らない治療法を研究しているが、その実験体に選ばれると長時間拘束されるのであまり人気が無い。研究に余念がない為、気になった相手には直ぐ声をかけて勧誘を試みる。
特技は両腕に埋め込まれた眼球を飛ばして追いかける「眼球飛来」。資料室利用者や周辺区域からの苦情が絶えない。
⑪モスリー・ガーネット:モスリーキッチン店長。
モスリー。魔族の女性、年齢不詳。三棟にて大衆食堂「モスリー・キッチン」を切り盛りしている。ラエルを採用してかなり助かっていたので辞めさせる気はなかったのだが、理由が理由だったので惜しみながら退職届を受理した。
アネモネの叔母で、エイデルワースの親戚にも当たる。登録名では諱を隠しているようだ。
⑫ベリシード・フランベル:マツカサ工房代表、魔法具技師。
ベリシード。魔族の女性。魔法具研究室、マツカサ工房の魔法具技師。刻印、デザイン担当。彼女が可愛い女の子好きなので、工房の利用者は殆ど男性である。女性相手だと儲けが消え失せるほどに値引きし、男性相手だと定価かそこに上乗せする傾向有り。
最近、魔族で言う人生半分 (100歳)を折り返したとか。変人だが技術は確かなので、烈火隊の武器を手入れすることもある。
⑬■■■・フランベル:マツカサ工房所属、魔法具技師。
フラン。魔族の少年。魔法具研究室、マツカサ工房の魔法具技師。主に付与術式を担当する空間魔法技師。ベリシードの一人息子だが、その変人性は系統を変えて顕在。彼に採寸されるのが嫌で逃げる利用者が多いために、工房の出入り口は上下開閉式になったとか。
夜型な上に作業に没頭しがちで徹夜が絶えず、移動中によく寝落ちする。が、彼の作る装備は逸品なので利用者は絶えない。採寸だけ我慢すればいいのだ。
⑭■■■■・ラァガァモール:
ラーガ。獣人の女性、爪牙無鱗。年齢不詳。黒毛に赤の髪が入った獣人で、近接戦闘を主に得意とする。異変時にハーミットが招集した人間の一人だが、関係性は不明。
一対一でないと発語による意思疎通が取れない為、彼女に関わる人間は自ずと人間観察力が上がるという。
⑮スターリング・パーカー(諱不明):
リグ。変態。魔族の男性、年齢不詳。赤い瞳に赤紫の髪。絵描きを名乗っていたがその正体は……。
通りすがりでラエルを助けたつもりが墓穴を掘り、ことのついででストレンにちょっかいをかけたりして場を引っ掻きまわした張本人。時魔術の他、様々な系統の禁術を扱うが、どうやら手にしている禁書が鍵になっているようだ。腕っぷしも中々なもので、四天王であるハーミットの攻撃を受けてもびくともしない癖に「昔はもっとできた」とかサラリと口にするやばい人である。「時箱」事件の主犯であり、カーリーを脱獄させてまんまと逃げおおせてみせた。
⑯カーリー・パーカー(諱不明):
カール。魔族の男性、年齢不詳。紫の目を持つ感情欠損患者。カーリーと呼ばれているが、その名前が諱かどうかも分かっていない。浮島の下層にて拘束されていた重罪人。戦時にラエルの故郷パリーゼデルヴィンド君主国と魔導軍を滅ぼした主犯とされているが、詳細不明。兄を名乗るスターリングに連れ出され、現在はスカイダイビングを楽しんでいる。
⑰リューグ:
喋るドラゴン。パーカー兄弟と行動を共にしている赤い鱗に緑の瞳を持った竜種。彼らとは腐れ縁があるらしい。逆鱗を触られると滅茶苦茶に暴れ、手が付けられない状態になるとか。
なった。
⑱エイデルワース・ガーネット=パーカー:
エイデル。魔族の女性、年齢不詳。浮島二棟一階にて受付係を担っていた。魔導王国の歴史ある家の出身だが、赤と茶の混ざり髪であることから分家落ちしたと推測される。
「時箱」事件の関係者であり、主犯の協力者。死霊術に長け、とある目的の為には手段を選ばない冷酷な面を持つが……現在は浮島にて拘束されている。
⑲魔王(諱不明):
浮島城主。『暴食』の魔王様。マツカサ工房製のロングソードを片手に空間魔術を無詠唱で乱発する恐ろしい魔術スキルを持った人。
種族は不明だが、今日もコバルトの髪と目を揺らして真赤なお茶を淹れている。先代の魔王について知っている数少ない一人であり、王室の書庫から禁書が二冊消えたことに気づいている。
⑳シャーカー・ラングデュシャーデ:
かの書籍にはとてもお世話になった (主にラエルが)。
次章、物語の舞台は「浮島」から「第三大陸」へと移ります。
浮島を危機に陥れた時箱事件が一件落着し、その功績からハーミットの補佐係に任命されたラエル。少女の両親の足跡を頼りに、二人は第三大陸を奔走することになるのですが……?
4章 灰色のダブルはイシクブールにて
お楽しみに。