2 チャンセラー商会 (下色彩色、天井・壁質感表現)
質感の表現を研究中。
背景の主線ができたら、ここから彩色に移ります。
ベースとなるのがこの線画。
ラフ画の彩色イメージはこちら。
これをもとにどんどん塗っていきます。
まずは不要な物を非表示にしていきます。
現在のレイヤーフォルダはこんな感じ。
作業しやすいように家具やアイテムごとにフォルダに分けており、それぞれの主線は各フォルダの中に入れてあります。
最もベースとなる背景の線画のみを残して、他を非表示にしました。
床を塗ります。
タイルの線を非表示にすると塗り残しがあるのがわかるので、これをベタ塗りペンで塗りつぶします。
床の色をラフ画に近い色に変えます。
ラフ画を開いてそこから色を直接彩色することも可能です。
ラフ画をペイントソフトで開く → ラフ画から色をスポイト → 作業中の画像に戻る → 編集 → 線の色を描画色に変更
良い感じのカボチャ色になりました。
互い違いになるように、タイルに茶色を彩色しました。
下色をラフ画と同じようになるように、塗りました。
塗り残しの無いように。
壁紙部分の質感を作っていきます。
まずは範囲を選択。
壁紙のレイヤーを選択 → 選択範囲 → 色域選択
このボックスが出たら、緑色の部分をスポイト。
※参照するレイヤーを全てのレイヤーにもできますが、似たような色が他のレイヤーにもある場合、それら全てが選択されるので、特に限定して塗りたい場合は選択されたレイヤーのみにしておく必要があります。
今回はテクスチャを使っていきます。
範囲を選択した状態で、画面のこの矢印をクリック。
隠れているボックスが出てきます。
ツールパレットにのってない素材やテクスチャ、トーンなどはここから使用できます。
今回はテクスチャを使用するので、単色パターンというフォルダをクリック。
単色パターンの中のテクスチャから、キャンバス地を選択。
単色パターン → テクスチャ → キャンバス地
パターンを選ぶ時に、下にあるトーン化のボックスをチェックするとトーンとして使用もできます。
カラーパターンの場合、色付きのものがトーンとして使えるようにモノクロに変換されます。
テクスチャもトーン化設定で線数を設定できます。
テクスチャのまま貼るとこんな感じ。
トーン化して貼るとこんな感じ。
よりパキッとはっきりした模様になりました。
今回はトーン化したテクスチャを使用します。
テクスチャを画面にドラッグします。
選択した範囲にテクスチャが貼れました。
レイヤーの一番上層にテクスチャのレイヤーが作成されます。
※選択範囲が解除されます。まだ同じ範囲を使う場合は再選択しておきます。
選択範囲 → 再選択
貼ったテクスチャを回転させます。
四角形の角の部分にカーソルを持ってくると、矢印が出るので左右に回転させます。
トーンやテクスチャはそのままのレイヤーだと色を変更できないので、新しいレイヤーに貼り替えます。
レイヤー71を作成しました。
レイヤー71を作ったら、キャンバス地のレイヤーに戻って、下のレイヤーに結合のアイコンをクリック。
通常レイヤーのレイヤー71に、キャンバス地の模様が貼れました。
レイヤーを合成したら、作業しやすいようにレイヤーを移動させます。
変な場所に置いておくと後でわからなくなってしまうので、アイテムごとのフォルダに片づけます。
レイヤーを選択 → 挿入したい箇所までドラッグ
レイヤーを移動したことで、壁の上部の飾り部分にキャンバス地が被っていたのが、修正されました。
キャンバス地の色を変えます。
編集 → 線の色を描画色に変更
こんな感じになりました。
このままだとまだのっぺりしているので、更に加工します。
キャンバス地で塗った部分を色域選択で選びます。
ドライガッシュで塗っていきます。
選択範囲が複雑で細かいと、どんな感じで塗りができているのかわかりづらいので、プレビュー画面を参照しながら描いていきます。
こんな感じになりました。
拡大するとこんな感じ。
まだなんだかのっぺりしているような感じがするので、同じ手順で濃い目の色も塗りました。
ここで全体の色味がなじんでないような感じがしたので、キャンバス地のレイヤーの合成方法を乗算にします。
全体的に落ち着きました。
ここでちょっと質感表現の比較。
別作品の『だってマッチョが好きなんですもの!』の、【男の風呂だってセクシーです!】第5部の作画で、床の表現にドライガッシュとキャンバス地を使っているのですが、今回とは違う描画法でした。
ドライガッシュのブラシの設定で、紙質をキャンバス地に変更して塗ったのがこちら
こちらの方がよりアナログっぽい感じですね。
今回のキャンバス地を直接貼るやり方だと、キャンバス地の模様がしっかりと出るので、印象がかなり変わります。トーン化や色味の問題もあるかもしれないですが、より細かい凹凸のある質感といったところでしょうか?
今度は天井の質感を作っていきます。
ネットで無料で拾った水彩のブラシを使用します。
Juwa水彩/透明
レイヤーは焼き込み(リニア)で合成
全体に塗るとこんな感じ。
消しゴムツールで先ほど塗った部分を加工します。
これもネットで無料で拾ったものです。
キラキラカケアミ消し
こんな感じになりました。
全体ではこんな感じ。
ちょっと壁紙の色が濃いかなと思ったので、レイヤー濃度を調整。
調整しました。
さてさて。とっても長くなったので、今回はここまで。
背景は油彩ブラシや水彩ブラシとかで、自分で一から質感を作り上げていくのもいいですが、色んなツールを使って質感を表現していくのもまた面白いです。手順を変えることで、微妙な変化が生まれたり、1本のブラシでは表現しきれないものも作る事ができます。
この作品は様々な手法で描いてみて、結果どういったものに仕上がるのか。その研究発表のようなものなので、今後もいろんなツールや手順で描いていくつもりです。皆さんはどの質感がお好みでしたでしょうか?
それではまた次回!(*^-^*)
ご覧いただきありがとうございました!(*^-^*)
解説する為に画像をスクショしたり、機能を調べてみたりと、中々勉強になる事が多いですね。テクスチャやトーンに関しては、自分もまだ分からないことだらけなので、一つ一つ学んでいきたいと思います。
もし何か勘違いして記載していたらご指摘いただけますと幸いです。
多分こうかな?くらいの知識で書いてますので、非効率、間違った認識である可能性がありますので。
それでは次回もお楽しみに(。-`ω-)