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Flag of Rebellion  作者: クロウ
第2章 first order
18/25

勝利の撤退

「くっ!敵が強すぎる!このままでは特殊機動部隊任務完了まで持ちこたえられん!」

予想以上だ!いくら我々が少し引き気味な戦いをしているとはいえだ。玉砕覚悟で突撃すれば仕留められるかもしれないが、それはまずい。そんなことをすれば当然多くの被害が出る。今回の作戦で戦力を落としてしまっては試験込の作戦である意味がなくなる。

「最終手段を取るしかないか...。」

「副部隊長殿使うのですか。」

「仕方あるまい。出来れば見せたくはないカードだったし我々の力を示したかったが...我々の目的はプライドの維持ではなく実益であるならプライドなど投げ捨てなければならぬ。後衛に連絡をしろ!」

「了解です!」

使いたくはなかったがこれでしばらく時間を稼ぐことが出来るだろう。奴らには扱えるものはいないだろうからな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「副隊長!裏門にて交戦中の第2部隊から救援要請です!」

「そうか。今回の作戦、あまり出たくはなかったが仕方ないか。行くぞ!もちろん臨戦態勢で準備していただろうな!」

「もちろんです!いつでも出れます!」

「よし!魔法小隊出撃だ!!」

基地から約2km離れたところから急いで裏門へと移動する。ほかの部隊と違い我々は身体強化魔法を縛ってはいないため直ぐに目的地へ到着する。現在位置はだいたい裏門から400mと言ったところか。今回裏門に来てる第2部隊は近接メインだからな彼らはもっと前で戦っている。

「それぞれ範囲殲滅魔法用意!目標前方400m!少し後ろを狙えよ!味方を巻き込んでしまうからな!」

「「「了解!」」」

「撃て!」

それぞれの属性に合わせた魔法が前方へ向け発射される。こう見ると凄まじいものである。うちの小隊はまだ100名ほどしかいないものの魔法使いが100名だ。100もの範囲殲滅魔法が放たれる光景は敵からしたら絶望的に見えるだろう。自分なら想像しただけでも震えが止まらなくなりそうだ。

「俺は第2部隊と合流する!100m前進し、援護射撃を開始せよ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はぁこの程度か。」

夜に叩き起されてすこぶる機嫌が悪い中分隊長に命令され裏門を守りに来たが来る敵が弱すぎる。いや、やっぱり俺の能力が強すぎんだな。いくら鍛えたところで結局はひとつの強力な能力に踏みにじられるのがこの世界なんだな。体の周りにナイフを飛ばしそのナイフで銃弾、敵の斬撃を迎撃する。攻撃自体はあまり行わない。あまり人なんて殺したくないしな。それに射程にすら入れぬ雑魚だ。いちいちナイフを飛ばす程じゃない。射程から出たナイフ回収するの面倒だしな。

「こら!斗真油断しない!ここは戦場だよ!」

「ハイハイわかってますよ。」

ちっいちいちうるせぇな。こんなヤツらにやられねぇよ。春は心配性なんだよ。理恵だって問題なく敵をさばいてるみたいだしな。敵が諦めるまで適当に....

「春!上だ!上にお前の能力で防壁を作れ!」

「何よ突然声を張りあ....。」

「死にたくなければはやくしろ!」


危機一髪と言ったところか。何とか敵の範囲魔法は壁によって防がれる。

「面倒なのがいるな。」

敵のさらに後方を睨みつける。微かに木の影に見える人影がある。数はそこまで多くはない...が正直うちの分隊は遠距離戦に向いてないからな。下田さんがハンドガン使う程度でほかのメンバーは携帯すらしていない。

「面倒だからやりたくなかったんだがな。この距離ならギリギリだが射程内だ。」

そこら辺に転がってた石を1つ能力で浮かせる。それを敵とは反対側の俺の能力の射程ギリギリまで下げてから狙いをつけ、石に命令を宿す。『まっすぐ加速し続けろ』と。石は俺の射程内にあるうちは加速され、射程外に射出される。弾速はライフル弾をも軽く超える速度に到達する。さて着弾したかな。見ると一人尻もちついているのがわかる。

「ちっ仕留められなかったか。」

一応だが魔法装甲どういうものがあるということを聞いたことがある。魔力によって編まれた透明の装甲。想像以上の硬さだな。まぁでも1発で尻もちはついている。なら突破は不可能って程じゃなさそうだな。先程まで周りを飛ばしていたナイフで地面を削り大量の瓦礫を作り出す。

「春!お前俺の代わりに前に出ろ!俺が後衛を牽制する。範囲魔法には気をつけろよ。」

「了解!」

よし、これで集中できるな。先程と同じようにして大量の瓦礫を敵後方に向け射出する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「追え!逃がすな!」

作戦通り進行中だ。予定通り下田さんとぶつかり今は敵兵に追われている。他の場所がどうなってるかわからない以上なるべく急ぐべきだな。

「出たらすぐに信号弾を放て。」

「了解です。」

走りながら信号弾を用意させる。連絡方法が別にあるのに一々こんな手段をとる理由は簡単だ。さすがに逃げながらあれを使うのは危険だからだ。視界が固定されれば追撃をかわし損ねる可能性もあるし、後ろから着いてきているということは敵に連絡手段がバレる可能性がある。この連絡手段は軍には存在するが未だ一般には普及してはいない。この手段がバレれば傍聴される可能性もあるし、何より我々の技術力がバレる。相手にはあまり情報与えたくはないからな。

「信号弾発射!時間は稼ぐ!先に外に出ろ!」

反転し、敵と直接対峙する。手に持っていたP90mcの弾を敵に向かってマガジンに入っているもの全てをばら撒く。所詮敵は能力もなく、身体強化魔法も使えぬ奴らだ。出口の壁を利用して隠れ、弾をかわしている。マガジンを交換するのではなく銃を持っていて左手で新しくP90mcを取り出す。今回は一気にばら撒くのでは無く顔を出してきたところにピンポイントに射撃を続ける。そうする残りが半分になる頃に後ろから

「副隊長!壁抜けました!」

という声が聞こえる。残りの弾を一気にばら撒きながら入る時に設置した宝石を回収し、壁を抜ける。丁度宝石を拾った辺りで弾が切れたので回収したところと俺が抜けたあと穴がふさがった所までは見られただろうが問題は無い。上手く下田さんが利用してくれるだろう。所詮これ試作品だしな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ちっ!めんどくせぇ!」

後方からの魔法攻撃を防ぎつつ瓦礫を射出し続ける。さっきから変わらずずっとこんな感じだが対魔法ってもんは気が抜けない。1発でも見逃せば死者は出なかったとしても確実に重傷者が出る。そうすればさらに戦線は面倒になる。ジリ貧だ。なにか考えなくては。そう考えていると敵が何かに気づいたような反応をしたあと後ろに引いて行った。ちらっと後ろを見ると信号弾らしきものが上がっていた。なるほど撤退命令か。

「逃がすか!面倒なことしてくれやがって!」

走って追いかけようとする。思いっきり前傾で1歩目を踏み出した時、

「待て!」

という言葉で少しふらつきながら止まる。

「なんでだ分隊長!みすみす逃がすのか!」

声の主の方を振り向くとやはり下田さんが立っていた。

「追ってどうする?我々は襲撃を受けそれに対応しただけ、それ以外は業務外だ。」

「だが野放しにすればまた来るだろう!?」

「そんなの上が判断することだ。俺らのやることじゃない。」

「グッ...分かったよ。」

この国は異常なまでに兵士が命令外の行動をすることを嫌う。俺たちに下されている命令は基地の視察ともしも襲撃があれば対応する。それだけだ。ただ対応するだけで殲滅は命令されてない。対応している時に殲滅したなら問題は無いだろうが追撃して殲滅だったなら運が悪けりゃ命令外の行動で処罰の対象となりかねない。めんどくせぇ。本当にめんどくせぇ国だ。

「再度あの部屋に集合だ。俺は正門を確認後司令室に行ってから合流する。」

「了解。」

「よし、お疲れ様。」

そう言って下田さんは去っていく。あぁあ少し熱くなりすぎたな。冷静になってから考えたら追撃なんてめんどくせぇことすることねぇじゃん。どうせいくら真面目にやったっていい事なんてねぇのにな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


信号弾が上がったのを確認したあと現在前線の全員を撤退させている。その時間を稼ぐのは俺の仕事だ。これくらいのヤツら俺一人で十分だ。だよな相棒?両手に一丁ずつ持ち身体強化魔法を全開で解放し、腰を落とし衝撃に耐える用意をする。そしてそのまま相手に向かって玉をばらまく。

「顔出せるもんなら出してみなぁ!その瞬間蜂の巣だけどなぁ!」

壁が銃弾で削れるほどぶちまける。弾が切れればあとは後方で狙撃をしている第2部隊に任せ強化を生かし全力で撤退する。

「はぁスッキリした!」

ずっと後ろで指示出してたからな。俺がぶっぱなしたのは最後だけだ。だがその分思いっきりぶっぱなせたのでスッキリした。まぁ目的も達成したみたいだしさっさと帰って祝杯でもあげるとすっかな。

「おめぇらさっさと帰んぞ!」

「おぉ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


...あぁこりゃまた...派手にやったもんだなぁ。前線にいたこの基地では高めの階級の兵を捕まえ話を聞く。信号弾が見えるまでは普通に銃撃戦が繰り広げられ一進一退の攻防をくり広げていたが最後信号弾が見えたあとは大量の弾幕で顔を出して相手を確認することも出来ず、兵士は怯えて弾幕が消えたあとも顔を出すことが出来なかった...かぁ...。話には聞いていたが凄まじいな。正門の周りの1mの厚さがある壁は5分の1ほど削られていた。しかも正門を中心として左右それぞれ10mずつ削られていた。確か作戦では最後撤退時のみあの人が出るはずだったから...あと5回も繰り返してたら壁ごと持ってってたのか...。いくらカスタムして威力が上がってるとはいえこれはヤバすぎるな...。てかこんなに壁を削るほど適当にばらまいてたのか...。そりゃぁ物資補給してる側が悲鳴をあげるよな...。とりあえずこっちの作戦が終わったことの安堵と想定以上の兵士の仕上がりに軽く恐怖を覚えつつ司令官から詳細を聞くために司令室へと向かった。

To be continuous...

どうも!クロウです( 'ω')今回は少し遅くなりました申し訳ありません。まぁそこは置いといて、今回なんとか無事にレジスタンスは作戦を完了しました!が、まぁまだあっちの作戦が残っていますからねぇ。あっちの作戦の方は恐らくもっとスムーズに進むことでしょう!多分!

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