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Flag of Rebellion  作者: クロウ
第2章 first order
12/25

未だ隠されし力

「神島さん。俺はもっと速くなりますよ。」

「そうか。そりゃぁ楽しみだな。」

まだ力を隠してるのか。その場のノリでもうおしまいか?なんて言ったがここまででも十分合格ラインだ。こりゃ想定以上の戦力となりそうだ。ついつい口角が上がってしまう。あぁダメだこれじゃまるで煽ってるみたいだな。

「浮石!」

同じ魔法?さっきまでよりも小さいものを空中に浮かべてどうする...。

「行きますよ。これ以上使うと流石に負担が大きすぎて体に悪影響が出るので今回はここまでです。だからといって負ける気はありませんからね!」

そういった大地はまた岩へと飛び移り四方八方に弾丸を放ちつつ立体機動を始めた。確かに少し速くなっている。弾丸の軌道を見るに小さい岩にしたのは弾丸を跳弾させるための岩を増やすためとあとは先程のような不意打ちを受けないためってところか?まぁでもこの程度なら問題は無い。思考を回しながら軽々弾丸を弾く。

....

....

おかしい。あまりに飛んでくる弾丸が少ない。弾丸の弾道は全て捉えてはいるがしばらく跳弾し続けるものが多い。勢いが死んでそこら辺に転がってるものもかなり多い。一体なぜ...。弾道計算をミスっているとは考えにくい。大地は優秀。まして現在は能力によって思考能力はかなり向上している。土壇場で扱いきれない力を解放するほど馬鹿なやつでもない。となると...。やっぱり何か目的があるよなぁ。思考を続けながらも継続的に来る弾丸を弾く。なにか非常に嫌な予感がする。大地本人の動きは先ほどに比べて1.5倍ほどまで加速している。それにしてもかなりの数の弾丸を用意してたな。さすがにそろそろ弾切れなんじゃ...。

突然大地はマガジンの最後の弾丸を直接こちらに向かって放ってきた。何故突然...。なるほど、跳弾させて弾丸の到達を遅らせていたのは複数の弾丸を全くおなじタイミングでこっちに撃ち込むためか。確かにこれなら刀で一気に弾くのは困難ではある。あらゆる方向から同じタイミングでこられてはどこから弾けばいいものか難しい。だが難しいだけだ。不可能ではないな。弾丸を弾き、弾いた弾丸を計算しその弾丸で別の弾丸を弾く。それを繰り返せば簡単な話だ。まぁ普通できるかは別だけどな。1振りで全て弾き飛ばす。さて次はどう出るか..ッ!?弾丸に意識を向けすぎた。弾丸の後浮石によって浮いていた石がいっせいにこちらに向かって飛んできていた。一瞬驚いたがこれで終わりなら判断ミスだな。自分の足場をただ消しただけになる。大地はこの後どうする..?今回は大地にもしっかり意識を向けながら弾く。大地は正面からこちらへと向かってきている。こんなことで俺に隙でも出来ると思っているなら舐められたもんだな。戦略の方にはもう少し成長の余地あり...ってとこか。一刀で斬り伏せて終わりだ。そう思い弾いた直後に大地に向け刀を振り下ろす。俺の方が速い。今回は俺の勝ちだ。...そう思った直後大地は突然視界から姿を消した。

「なっ!?」

まずい!あえてスピードをこれまで抑えていたらしい。急加速して後ろを取られた!今の大地のスピードだと既に振り下ろしている刀では間に合わない!当てられる!

「ハァッ!」

ーーーーーーーーーーーーー

「なに...が...起こったん....だ...?」

俺は神島さんに向かってガンブレードを振り下ろしたはずだった。だが今は神島さんに地面に叩きつけられている。

冷静になれ。何があったか思い出すんだ。

確か...振り下ろして当たる直前一瞬神島さんの体に電流が走ったかと思うと急に超加速した神島さんに胸ぐらを掴まれそのまま地面に叩きつけられた。恐らくそんなところだった。

見えなかった。残っている感覚、見えた気がした僅かな映像から判断した結果はこれだ。つまりまだ神島さんは余力をかなり残していたってことか...。

「いやすまなかったな。まさか大地がここまでとは思ってなかったよ。あれまで使わされるとは。」

そう言って手を貸してくれた。素直に手を借りた俺は少しぼんやりとしているなか神島さんにそのまま問いかけた。

「まぁ確かに余力を残していたな。あれは特殊身体強化魔法だ。引きずり出されるとは思ってなかったけどな。」

「こっちこそまさか3倍まで引き上げることによってようやく可能になる無意識の意識化で身体のリミットを解放してまさかほぼ動きを視認できないほどの差があるとは思いませんでしたよ。ほぼ2倍まで引き上げられるのに...。そんなことよりですよ。特殊身体強化魔法ってなんですか?」

「あれはまぁ属性魔法によるものでな。通常例え身体強化魔法を重ねがけしたところで効果は加算になるが特殊身体強化魔法との重ねがけの場合は乗算になるんだ。」

「どういうことですか?」

「加算になる理由は知ってるか?」

「確か同じものを強化した時は加算になるだったかと。」

「そうだ。じゃぁ通常の身体強化魔法は何を強化している?」

「行動による世界への影響でしたっけ。」

「そうだ。例えば壁を殴ったとする。そうすると身体強化魔法によって強化されるのは壁に与えるエネルギーって訳だな。」

「でも乗算にするにはどうすればいいんですか?」

「ここまでわかってれば簡単な話だ。体を直接強化してやればいい。」

「なる..ほど...?」

「お前の身体リミット解除とそこまで変わらないと思うが...。」

「あれは能力の影響でむしろ元からそなわってた力の解放ですからただトレーニングして素の力が上がったのと大差ありませんよ。魔法の乗算効果とはだいぶ違うのでは?」

「いや同じだ。この魔法は体に電流を流して筋肉を活性化させて身体能力を向上させるものだからな。」

「なるほど。それなら確かに近いですね。」

「まぁ問題は少なくともこの方法の場合は雷属性魔法を使えなければいけないってことか。」

「そればっかりは才能ですからねぇ。となると神島さんの属性は雷なんですか?」

確か魔法の属性は俺の地、さっき神島さんが使った雷、あとは熱、水、光、闇の6属性だったはずだ。雷ならまぁ5人に1人くらいはいる程度だったかな。

「なんだ話したこと無かったか?聞いたこともないか?」

「まぁ普段軍にいますからあまり話す機会がないんですよねぇ。」

「確かに。で俺の属性か。俺は全ての属性を扱える。強いて言うなら雷が得意だけどな。」

「....は?マジですか...?」

「マジだ。」

「全て...。」

全ての属性となると英雄級の人物しか記録がないとかそういうレベルじゃ...。

「こればっかりは魔法の才があったとしか言えないなぁ。オヤジ譲りか。」

「そりゃ強いわけですね全ての属性を扱えるということは努力次第で全ての属性を扱える訳ですもんね。考えてみればそうか、神島さんは魔法小隊の訓練も一人で受け持ってますもんね。全て教えられるとなればそりゃ全ての属性扱えますよね。」

いやそんなの稀代の天才だけど。

「まぁでもうかうかしてると田山に抜かされそうだから気をつけなきゃいけないけどな。」

「全ての属性扱えるのに抜かされるとかあるんですか?」

「それがな?田山もなんだよ。」

「....は?田山さんも使えるんですか...?」

「そうなんだよ。」

稀代の天才が2人...うちの魔法小隊ってもしかして軍の魔法軍隊にあの人数で匹敵するのでは...。

「まぁあいつは使えるって言っても元々は熱に適性があってあとは一応使えるかもしれないって程度だったんだけど、気づいたら熱以外の属性も普通に適正を持ってる人と同じくらいまで使えるようになってたんだよな。あいつは凄いよ。」

「なんというか流石魔法小隊を任されるだけはありますね...。」

「あとは八葉さんも全属性使えるみたいだぞ。まぁあの人は回復系くらいしか覚える気なさそうだったけどな。」

「えっ...えぇ...全属性適正のレアリティが一気に下がってる気がするんですけど...。」

「なんだうちだってまぁまぁな人数がいるんだからこれくらいいてもおかしくないだろう?」

「いやいやいや全属性適正持ちって言ったら英雄級、稀代の天才でしょう!?」

「あぁなんだそういうことがお前知らないのか。」

「えっなにをですか...?」

「全属性適正が普通はどうなるか。」

「....?」

「全属性適正はな普通国に保護され秘匿されるんだ。」

「何故そんな必要が?」

「理由は簡単だ。鍛えれば主戦力級だからだ。」

「まぁ確かにそうですけど秘匿される必要がどこに?」

「大地。お前って国の特殊部隊って知ってるか?」

「まぁいるっていう噂はこの国に住むものなら1度は聞いたことはあるでしょうが。」

「メンバーは知ってるか?」

「いや実際いるかどうかすら分かりませんね。少なくとも私の立場ではそこまでの情報は回ってきてません。」

「そうか。」

「何故突然特殊部隊の話を?全属性適正とか変わりがあるんですか?」

「まぁな。俺が全属性適正者が実際に比べて知られてる者があまりに少ないことに疑問をもって調べた時に行きついたんだがどうも秘匿し、鍛え、特殊部隊員としているようなんだよな。」

「なるほどそれで。」

「まぁだから実際の数的には天才と言って差し支えはないが稀代のってほどでは無いな。」

「そうだったんですか。となると今後全属性適正者との戦いも覚悟しておいた方が良さそうですね。会うことはほぼないと思ってたんですけど。」

「そうだな。今は時間が無いから無理だが今度全属性適正持ちだからこその技を見せてやろう。知ってると知らないじゃ差が大きいからな。」

「それは助かります。...そういえば完全に忘れてましたけどテストの結果は?」

「あぁそんな理由だったな模擬戦したの。もちろん合格だ。」

「ありがとうございます。」

一切スッキリしないけどな...。

「じゃぁそっちの作戦は任せたぞ。こっちはこっちの作戦に集中させてもらう。細かな調整全てお前に任せる。」

「はい。了解で....す...?」

「ん?どうした?」

「調整...私がやるんですか?...」

「?当たり前だろ実際作戦に参加するもので今回最高指揮権はお前にあるからな。」

「....」ガクガク

「なぁにお前の頭脳なら大丈夫だ。大まかな流れは考えてあるし情報も集めておいた。成功報告を期待してるぞ。」

そう言って肩に手を置いたあと神島さんは去っていってしまった...。

『バカヤロォ!そんな余裕あるわけないだろうが!』と叫びたいのは山々だがもう決まってしまった以上諦め、少し肩を落としながらも俺も訓練所を去った。

To be continuous...

どうも!今回ははやめにだせたかなぁって思ってるクロウです!後書きなのでネタバレな感じなところにも少し触れますが圧倒的ですね。大地の方も既に軍では上位には入る実力者になりつつあるのですがそれでもこの差があります。さらに問題があるとすれば魔法剣士でありながら未だに神島は能力どころか身体強化魔法以外使用しておりません。もっと言うなら剣術の方も全力で使用してはいません。はい化け物ですね。まぁ果たしてそんな神島が全開戦闘をするのはいつになるのか正直まだ正確にはわかりませんが徐々には見えてくるでしょう。神島がどれだけ強いのかと大地の成長共に楽しみにしていただければなと思います( 'ω')

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